リスク資産の損益が『マイナス』になった時から、あなたの資産運用は始まります
2022年9月27日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
今のように株式市場が大きく下がってくると、
気持ちがそわそわしてきます。
『投資環境が悪化したときに、
あなたの資産形成をどうするべきか?』
と銘打ち、
あたかも 別の行動(アクション)が必要であると説く、YouTubeやブログがこれから出現するかもしれません。
投資信託はガチホ、売らないみたいなムードありましたけど、こんな局面では売ってもいいいかなって思いました☺️損はしないし💦現金としてとっておいて、チャンスと思えるときにまた入金したいと思います🍀
— A子👒 (@A81770331) September 27, 2022
というお気持ちもよーく分かりますが、
今、あなたがするべきことは明快です。
「何もしない」。
株式市場は(そもそもが)理不尽に変動するものです。
特に「下方」には、
つるべ落としのようにストーンっと下がることがあります。
特にここ数年でつみたて投資を始めた人へ。
このような『理不尽な下落』は辛いものですが、
これにいちいち「反応」していると
体がいくつあっても足りません。
株式市場の本質は・・ジェットコースターなのです。
基本は体に悪いことをするわけで、
それを上手く乗りこなして(なんとか)乗り切った人が、
その代償として「プラスのリターン」を手にするわけです。
これからの相場では
もっともっと「悪い事態」になったらどうしよう・・?と、恐怖心が全面に押し出されたりすることもあるでしょう。
今、恐怖心と言いましたが、
マーケットには『恐怖指数』(VIX指数)という物差しもあります。
この、VIX指数が
「30を超えた!」みたいに大騒ぎする人も出ていますが、
今、こんな感じ。
このような『数字』は
市場がちょっと風邪を引いて熱が出たかも・・くらいの「数値」に過ぎません。
2008年のリーマンショック時には、
VIX指数は89を超えました。
大小さまざまな
「金融危機・金融クライシス」と付き合い続けることに他なりません。
VIX指数的に云えば、
〇 2001年9月のアメリカ同時多発テロでは「49」を越え、
〇 2002年のエンロン社の不正でも「48」を超えています。
今のマーケット状況はぜんぜん「大したこと」はないのです・・。
最後にギリシャの話が出ましたが、
わたしが今注視するのは
アメリカよりも『欧州』です。
インフレに対抗するために「利上げ」を連続して行いましたが、歴史的な「ポンド安」に晒されています。
(もちろんEUを離脱したため、
モノ・ヒト・財の流通コストが付加的に上昇してしまっているという特殊要因もあります)
基調としては財政の大盤振る舞いに対して、
市場が「黄色信号」を発していると捉えたほうが無難でしょう。
より心配なのはイタリアです。
前述のイギリスと同じように
減税、大盤振る舞いの財政出動によって、大衆に迎合する施策が実施されれば、
ギリシャ危機の時と異なるのは、
EU各国が深刻なインフレーションに見舞われているという事実。
わたしは『ユーロ危機』の再発こそが、大きな火種と考えます。
それでも、です。
(別に)世界の終わりが来るわけではありません。
暴落相場こそが、
投資信託のリターンの多くを稼ぎ出してくれる、『超過リターン獲得の機会』でもあるわけです。
菟道りんたろうさんはいつもおっしゃっていますよ。
下落局面がないと積立投資家は困ります。
と。
もちろん、
ジェットコースターのような
不規則な価格変動を元来、好む人なんていません。
投資を始めたばかりの人でも、
15年選手のベテランでも、
自分の資産価値が下方にどんどん下がるのを見るのは、精神衛生上、ぜんぜん面白くないわけです。
・・違いますよ。・・
リスク資産の損益が『マイナス』になった時点から
あなたの資産運用は始まるのです。
古今東西の投資家はみな「これ」を経験しています。
決して、損失を最小限に抑えようと、
ファンドを売ってしまわないように。
また、積立金額を下げてしまったり、積立をお休みしてしまったりしないように。
いい加減に、
何もせずに、
佇んでいてください。
ベアマーケットは、
積立投資家にとって『チャンス』でしかありません!