資産運用は最初から『長期』『分散』だった(それってなぜ?)
2022年9月24日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
ちょっと歴史の勉強です。
・・「富」は生まれたものの、
その使い方を知らない人間は、試行錯誤を重ねていました。
やがて「余剰」という箱の中に
ヒトの心を詰め込むことで「文化」が生まれました。
例えば『絵画』などは、その典型です。
欧州の貴族たちは、
「お抱え画家」を雇って絵を描くことに専念させます。職業的画家の誕生です。
また貴族は「資産運用会社」も生み出しました。
自分たちの巨万の富(資産)の管理を、専業の者に任せたのです。
真のお金持ちは、
(真のお金持ちになってみないと気持ちはよく分かりませんが、笑)
お金を増やすことより、
いかに資産の価値を(長期的に)減らさないようにするのか・・
ここに『力点』を置いていたはずです。
資産管理が為されていたのでしょう。
なぜなら、それが「クライアント(貴族)」のニーズであったためです。
このように資産運用会社の歴史を紐解けば、
資産運用とは、最初から『長期のマインド』で実践されていたことが分かります。
話は変わります。
昔のヨーロッパは『戦争』に明け暮れていました。
〇 国が滅んで国名が変わったり、
〇 言語が変わったり、
〇 宗教(宗派)が変わったり、
〇 ときに王侯貴族は暗殺され、
〇 通貨の呼び名が変わり、
〇 信じられない物価高が起こったり、飢饉が発生したり、
〇(王侯貴族の立場に立ってみれば、) 住む場所も、肩書きも、名前さえも変えて生きざるを得ない可能性があったわけです。
そのような可能性がある中では、
自然と、あらゆる状況を想定すべし! という意識が高まります。
資産運用はそのスタート地点から、
『リスクに備える』を意識していたわけです。
ここまでまとめておきましょう。
資産運用の原始から存在していた。
その後、お金を増やす、資産を守るという行いが、
何百年もかかって「ふつうの市民」にまで下りてくると、潜在ニーズをくみ取る形で『投資信託』という便利な道具を登場させることになります。
投資信託って、どんな「特性」を持っていますか?
まさに資産運用の本来的なニーズに適っているわけです。
今、世界の多くの国々で
『金利』が大幅に引き上げられ、
株式市場ではしばらく『試練の時期』が続きそうです。
しかしこれも、
何百年も前から何十回と繰り返されてきた市場の『アップダウン』です。
(あなたが長期・分散のマインドを維持できるか、試されているわけです)
ところで、
欧州の貴族が専業の者を抱え、
資産運用を命じていた頃には、範疇になかった投資の実行法があります。
それが
「つみたて投資」です。
投資時期を分散させ、規則的に資金を投入していけば、
市場の下落をチカラに換えることが出来ますよ。
カテゴリ:投資の発想法