「金融長生き学」ってなに?
2022年8月31日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
大いなる社会環境の変化の中、
金融ジェロントロジー(金融老年学)なる言葉が生まれました。
ヒトの長生きが常態化する中で、
お金との付き合い方
資産運用の取り組み方において、
どんな『発想転換』をしなければいけないのか。
ココを学問的にちゃんと研究しましょう、という学問のことです。
わたしなら、
『金融長生き学』と名付けます(^^)
金融長生き学の中で
大きなウェイトを占める
「長寿」と「資産運用」の関係について整理しておきましょう。
使うお金がそれだけ増します。
勤労期間も自然と伸びます。
(つまり、稼ぐお金もそれだけ増えるということ。)
年金・医療・介護といった「社会保障サービス」を、
『コスト水準』では
受けられなくなる可能性が高いです。
社会保障のサービス『コスト』が上昇すると考えれば、
想定以上に「入ってくるお金」が減り、← 公的年金
「出ていくお金」が増えてしまうということです。← 介護・医療
働く年数を増やす、
あるいは入ってくるお金の一部を、
貯蓄だけではなく、
(もしかすると、)
お金を育てる(投資)ほうにも向ける必要があるよね・・
というのが
時代的なコンセンサスになってきているのです。
時代の要請という背景があって、
金融長生き学における、
「資産運用」という項目が再定義されることになります。
もう一つの『側面』からも見てみましょう。
「人生の時間」が
50年、60年前の期待値の、
1.2倍とか1.3倍になるとすれば、
これは資産運用という行いにとって『好都合』です。
運用できる期間の長さが即ち「利益」となるためです。
『時間』という資源をテコに、
長期運用を実践することで
運用効率をより高めることが可能になります。
〇 35歳~95歳までの資産運用(100歳で人生終わり)のほうが、
同じ期待リターンの投資対象であっても、
NightWalkerさんの以下ブログ記事が示唆に富みます。
NightWalkerさんは従来より、
個人の資産運用を
「資産形成期」と「資産活用期」にくっきり分けておられます。
(現役時代) (リタイア期)
上記記事の以下が名文。
普通の人が、
投資による資産形成を始めるべき重要な理由が、リタイア後の資産運用術を修得するため
であることです。
大局を見るとはこういうこと!
金融長生き学において、
資産運用とは、
現役時代(半分)走る、走る・・
「折り返し点」を通過してそのあと、
走る、走る・・リタイア期(半分)なのです。
なんと壮大な時間プロセスでしょう。
(100歳で人生終わり)の例で、
35歳~65歳「資産形成期」
65歳~95歳「資産活用期」とすると、
両者の時間軸の長さは「まったく同じ」!
こんなことって、
人類「初」の出来事です。
投資の上り【積む】と同じくらい、
すなわち資産の『取り崩し方法』の確立が重要になってくるわけです。
上記記事よりもう一つ、
NightWalkerさんの金言。
そして、もうひとつ。
資産活用期に必要な安定的な資産運用術の修得には、10年はかかるのです。
個人差ありますが、実感です。
はい、こちらも重要!
何のために早く「走り始める」のか?
= 投資を早く始めるのか?
それは、
「走る」(投資)に出来るだけ慣れて、
折り返し点を過ぎた、
「後半の投資」(資産活用期)にも、
なるだけ自分らしく走り続けるためなのです。
カテゴリ:リタイアメント・資産の取り崩し