わたしが長期契約の金融商品を買わない理由
2022年8月3日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
投資信託は(もちろん)
長く保有し続けるものです。
が、最初に購入する際に
「20年保有契約」にサインするわけではありません。
そんなサイン、嫌ですよね?
あなたは、
インデックスファンドは長く持ち続けないと、その効用が現れないことに(なにげに)気付いているはずです。
が、同時に、
人生何が起こるか分かりません・・。
(新型コロナウイルスや、戦争や、異常気象や・・・)
投資の基本姿勢として、
いつでも『逃げられる』という
出口の確保もまた重要であるわけです。
私たちが「公募の投資信託」を選ぶのには『理由』があります。
それは、
市場が開いている日はいつでも、
その日の「時価」(基準価格)で『解約』が出来るからです。
その日の「時価」で、というのが大事。
※いつ売ってもペナルティー料は掛からないわけです。
出口が確保されている。
= あなたが「フリーハンド」を有している状態を一般に、
『流動性が確保されている』と云います。
ところで、ひと昔前に
『海外ファンド積立』なるものが流行りました。
こちらは残念ながら「流動性」がかなり細いです。
『海外ファンド積立』とは、
海外の生命保険会社等によって
オフショアで設定された金融商品を指します。
生命保険という「箱」の中で
複数のファンド(ユニット)を組み合せる金融商品なのです。
この『海外ファンド積立』では、
〇 契約してから一定期間、
解約を制限するタイプのものや、
〇(解約そのものは出来るが)
一定期間の間は、
解約する際に「ペナルティー料」がかかるものが多いのです。
積立を始める際に、
積立を行う年数を指定してくるケースもあります。
・・「20年契約」とかで束縛されるのってイヤではないですか?
誤解がないように・・・、
「長期投資」には賛成なのですよ。
でも、
自分の「資産」をいざというとき、
いつでもその時の「時価」で解約できる【自由】、
これは決して譲るべきではないと思うのです。
長期の契約は決してしないでください。
「20年契約」の20年がピンと来ない人は、
あなたの20年前を思い起こしてみましょう(^^)
思い出しましたか?
この20年の変化は果たして、
あなたが20年前に思い描いた、
「想定の範囲内」でしたか?
NO、ですよね。
先ほど「20年契約」と述べましたが、
よくよく考えてみると、
終身保険も、個人年金保険も、20年超の契約です。
「20年後のシナリオが、今決まっちゃってて、本当にいいの?」
これは自身に対する「健全なる問い掛け」でしょう。
商品の内容が
長期間にわたり「同じ条件」で決まっている場合、
途中で解約する際に
『ペナルティー料』を取られるケースがほとんどです。
終身保険も、個人年金保険も、
「ペナルティー料」を引かれるため、
途中で解約した際に戻ってくるお金(解約返戻金)が、少なくなるわけです。
住宅ローンという金融商品はもっとすごいです。
(30年ローンであれば)
30年後のシナリオまで、
今この時点で決定してしまいます。
「30年契約」ですね。
残念ながらこの両者は、
まっすぐな直線上でつながっているわけではありません。
明らかに 断絶 があります。
およそ外れてしまうのが、
20年後とか30年後の本質ではないでしょうか。
例えば投資信託を用いて
これから「20年」投資を続ける!
の、20年とは、
思わぬ出費が発生して、
途中で100万円くらい解約する可能性もアリの、
もしかすると、コスト「ゼロ」のインデックスファンドが登場して、そちらに積み立て先を変える可能性もアリの、
途中で失業して、
14ヵ月の間積立そのものを中断する時期がアリの、
そんなこんなで、
なんとか必死に紡いで紡いで・・の、
結果としての「20年」になるのではないでしょうか。
皆さん、長期の契約には
くれぐれも注意しましょう。
カテゴリ:投資の発想法