パリの「ラ・ロッシュ邸」からインデックス投資を学ぶ(引き算の美学とは?)
2022年7月20日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
パリの現代建築の始まりとされる邸宅。
それがル・コルビュジエが設計した
「ラ・ロッシュ邸」(1925年)です。
わたしは6年前パリを訪れた際に見学しました。
インデックス投資も
ル・コルビュジエの建築のように、
無駄をそぎ落とし、
機能性を追求するという
「引き算」の思考で成り立っています。
ところでル・コルビュジエはその著作の中で、
『住宅は住むための機械である』とまで言い切った人です。
「家」を工業製品として認識した、
はじめての人ではないでしょうか・・。
実際、ラ・ロッシュ邸を見学したわたしは、
まるで昨年作られた住宅のように
現代的な機能を感じたものです。
(右端にわたしが写っています・・)
吹き抜けの解放感。
シンプルで機能的。
水平の連続窓から差し込む光。
(照明がいっさい付いていませんでした)
無駄をそぎ落としているため、
室内空間が広く感じられるのです。
ル・コルビュジエは、
近代建築の「5原則」を謳った事で有名です。
それは、
水平連続窓 自由な平面構成 自由なファサード です。
コルビュジエの「家」は
機能に特化した箱であり、
それそのものが自己主張することはありません。
それ(箱)は、
「○○なスタイルを実現させたい」と想起させるだけなのです。
考えてみればインデックスファンドも、
どこか『工業製品的な匂い』がします。
それそのものが主張するというよりは、
各人が
各自の生活スタイルの中に、
インデックスファンドをはめ込むわけです。
人の手垢や無駄なコストを省き、
その対象を最大公約数化して、
誰にでも分かる「形」に昇華させている。
万人にとって使いやすい製品 = インデックスファンド なのです。
インデックス投資は、
シンプルで洗練された生活を具現したい人の、暮らしの一部になりつつあるのでは?
個人の資産形成「5原則」を謳ってみましょう。
最後の、
『サービス提供の継続性』は(地味ながら)非常に大切です。
インデックスファンドを長期保有するためには、
そのインデックスファンドが長期にわたって存続すること。
つまりは、
そのファンドを提供する『運用会社』自体が長期にわたって存在し続けることが求められます。
公共事業の会社のように、
いつでもそこに在り続けることが(消費者から)求められるのです。
水瀬ケンイチさんが以前こんな言葉を記しておられました。
投信事業は、
個人投資家の人生をも左右する、
「人生のインフラ事業」です。
まさにその通りです。
追記)
東京にお住まいの人は
ル・コルビュジエの建築を身近に見ることができます。
それが「国立西洋美術館」です。
カテゴリ:インデックス投資全般, 金融機関にモノ申す