気持ちと数字、カンタンそうで難しいのが、あなたの『リスク許容度』
2022年6月28日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
たとえば最悪の1年に遭遇した場合、
運用資産の『マイナス幅』が5%を超えるなんてワタシ絶対許せない!
という人も実際おられます。
これって、
「気持ち的に(主観的に)許せない。」
仮に上記を・・
気持ちの【リスク許容度】と呼びましょう。
実は「リスク許容度」には
もうひとつあります。
それは
数字から見た、客観的な【リスクの許容度】です。
たとえば、
1,000万円相当の
投資信託を運用しているあなたが、
最悪の1年に遭遇し
「10%のマイナス」を経験してしまいました。
1,000万円 ⇒ 900万円で、
金額にすると「マイナス100万円」です。
あなたは意気消沈し、
「もう自分の運用はダメなのか・・」と落ち込みます。
年間に150万円「貯蓄」が出来ており、
「マイナス100万円」になっても、
(貯蓄でプラス150万円になっているので)
資産そのものが落ち込むことはないわけです。
つまり・・
あなたの財政状況に
冷めた視線を向ければ、
『資産運用における100万円程度、いや150万円程度のマイナスは十分に許容できる状況』にあるわけで・・。
数字から見た【リスク許容度】です。
本来的に【リスク許容度】は二つあるのですね。
では、私たちにとって、
気持ちの【リスク許容度】と数字の【リスク許容度】、一体どちらがより重要なのでしょうか?
答え)
もちろん気持ちの【リスク許容度】です。
これって、
資産運用の初期の頃ほどそうです。
人は「理屈」で生きていません。
「気持ち」がまずあって、
「生活(日常)」が繰り広げられるわけです。
気持ちの【リスク許容度】のところで頑張り過ぎて、
もちろん、カウンセリングの過程で
理屈によるリスク許容度、つまり、
客観的な数字からの【リスク許容度】を知ることにより、
結果、気持ちの【リスク許容度】が
高まっていくことも(しばしば)あります。
みずほ証券のこちらのページでは、
【リスクの許容度】の物差しを、
「年齢(時間)」
「家族構成」
「資産」
「年収」
「性格・経験」という項目に分けて説明しています。
ひとつ挙げてみましょう。
年齢(時間)
資金が必要な時期までに
長く運用できる人の方が、
損失がでたとしても、
資金が必要な時期までに
損失をカバーする時間があるので、
リスク許容度は大きい傾向
はい、理屈的に
フムフムと頷けます。
では、
ここからちょっと「クイズ形式」です!
あなたと同年齢で、
同じ職場で、
同じ収入、同じ資産額で
おまけに毎年のお金の残り方も同じ
『Bさん』がいるとしましょう。
でも、
(配偶者は働いていません)
どちらのほうが
数字で見た【リスク許容度】は高いですか?
次です。
あなたもBさんも独身です(その他の要素はすべて同じ)
4800万円のローンを組んで
大宮にマンションを買いました。
どちらのほうが
数字で見た【リスク許容度】は高いですか?
次に・・
あなたもBさんも独身で
4800万円のローンを組んで家を買っています(その他の要素はすべて同じ)
ご両親はすでに他界されています。
(おまけにBさんは一人っ子です)
どちらのほうが
数字で見た【リスク許容度】は高いですか?
上記すべて、理屈で考えれば
「答え」は自ずと出てきますね。
あなたの『客観状況』を見渡すということでもあります。
自身の収支状況、ご資産の額だけでなく、
ご家族のカタチ、負債の額とその中身、お仕事の内容(プラス企業年金の付帯状況)、今後のキャリアパス、ご年齢、健康状態、ご両親のご資産状況・健康状況、配偶者の状況など、
さまざまなファクターが絡み合って
あなたが、あなたの【リスク許容度】を知り、『投資方針』を決定していくわけです。
どうぞ【リスクの許容度】には
気持ち、数字、両方あると覚えておいてください(^^)