オール・カントリーを保有されても、外側のリ・バランスは必要です
2022年6月13日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
インデックス投資とは
完全に受け身の投資なのでしょうか?
いわゆる思考停止して
放ったらかし!
でも、
ないのです。
たとえ「オール・カントリー」(スリム全世界株式(オール・カントリー)のみをシンプルに保有されても、いっぽうでお手元の安全資産もお持ちのはず。
安全資産:リスク資産(オール・カントリー)の比率が発生します。
全ての人の「トータル資産」は、安全資産+リスク資産で表せるはずです。
安全:リスク資産=3:7でも、
安全:リスク資産=5:5でも良いのですが、
まずは「骨太」の比率を定めることが重要なのでは?
この骨太比率を決めることが出来れば →(そこから)どの程度ズレているの?という認識も生まれます。
自身が背中に背負う「リスク量」を一定に保つということなのです。
大事なことなので、もう一度言います。
安全:リスク資産の「比率」を守ることが、自身が背中に負う「リスク量」を一定に保つということ。
自分が決めた「配分比率」が
時間が経ってズレてきたため、
元の割合に戻してあげることを
【リ・バランス】と言います。
例えば、預金:オール・カントリーの「比率」が動くのは宿命です。
なぜならオール・カントリーは株式100%のファンドであり、価格が大きくアップダウンするためです。
骨太比率がズレて、
それを元の姿に戻すのは、
ズレたまま
ハンガーに掛かっているスーツを、「元に戻す」のとまったく同じ。
復元してあげる行為なのです。
これを
何やらアクティブな行為と感じてしまうのも
分からなくはありません。
インデックス投資を続けるにしても、
己の資産管理を司るとは、
「意思を持ったメンテナンスをする!」ということなのです。
ところで、
(リ・バランスを)
という命題に対して、
資産の状況を
あなたのほうからいちいち観に行く
(= チェックする)必要はありません!
資産の現状を(なかば義務的に)【定点観測】するだけ・・。
たとえば、
年に1回、田舎に帰省する。
年に1回、部署内で歓送迎会をする。
年に1回、子どもの運動会に参加する。
年に1回、自動車保険の更新をする。
年に1回、ビルの屋上の「避雷針」をチェックする。
そういう「恒例行事」と同じです(^^)
また、
という点も答えはとてもシンプルです。
(割合が増えた)資産を売って、
そのあと、
(割合が減った)資産を買う。
預金:オール・カントリーのケースなら、
そのあと、
(割合が減った)オール・カントリーを買い増しするか。
そのあと、
(割合が減った)預金を買い増しするか。
いずれかになるはずです。
もちろん、上記作業は「一度に」行います。
元の状態に戻すだけですから・・。
(ズレたままのスーツを、
ゆっくりゆっくり「元に戻す」人はいませんよね?)
年に1回(ないし2回)の
『リ・バランス』の実行は、
その『日にち』まで
事前に決めてしまったほうがよいでしょう。
〇 まず「月」を決める。
誕生月、年度末、12月、1月?
〇 日にちも決める。
第4週の金曜日。月の最終日。
月のはじめ。給料日。
あなた自身が覚えやすい日を・・。
そして、
【定点観測の日】は動かしません。
同じリズムを持ち、継続して、ルール化する。
恐怖と欲望が渦巻くマーケットの生生流転は、
1年365日、
醜く、そして美しい旋律そのものです。
あなたは
市場の波瀾万丈を
はるか彼方に眺めながら、
365日のうち、たった1週間程度、
意思を持ったメンテナンスという観点から、資産状況(数字)を覗き込み、ズレたところを元に戻すだけです。
「あとは?」
あとは・・
半年寝太郎、1年寝太郎でよいです(^^)
9月にリ・バランスする大川さんが、
8月にマーケットの大きな変動を経験したとしても、
「ワタシのリ・バランスは9月18日だから。」と、平然と構えてよいわけです。
リ・バランスでもっとも重要なことは『規則性』。
くれぐれも、
マーケットのアップダウンにつられて、
恣意的に、
不規則に
「リ・バランス」をしてしまわないこと。
特に今年のマーケットは不穏な空気が漂うため注意が必要です・・。
最後に「外側のリバランス」とは、
安全:リスク資産=3:7のような
資産の大枠部分のリ・バランスを指します。
いっぽう「内側のリ・バランス」とは、
例えばリスク資産を、
日本株式ファンド、先進国株式ファンド、新興国株式ファンドの3本のファンドで保有する際に、上記3つの投資対象の「比率」を元に戻す作業を指します。
カテゴリ:ポートフォリオ運用