「どのインデックスファンドか?」で悩むより、投資に回すお金と回さないお金の「割合」で悩みましょう
2022年4月27日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
中村あゆみさんの曲に
『翼の折れたエンジェル』があります。
(名曲・・)
ラストの部分は?
「みんな翔べないエンジェル」。
わたしは昔からこの言葉が好きで、
ものごと全般について、
やろうと思えば出来なくはないのに、
「なんか(そういうのって)なかなか実行に移せないよね。」
という、
ふつうの人(私たち)の本質を突いているような気がします。
「みんな翔べないエンジェル」。
ところで投資においては、
「翔べるか、翔べないか?」の『分岐点』はいったいどこにあるのでしょうか?
それは文字通り、
【リスク資産を買うことが出来るか否か。】
ゼロから1に向かう道程です・・。
そして次の
「翔べるか否か」の分岐点は、
それを【続けられるかどうか。】
投資信託を数年以上保有し続けていて、
定価でモノを買うこととは本質的に違うんだ」と実感出来ていれば、
もう、かなり翔んでいる状態・・と云えます。
この仕事をしていて実感するのですが、
〇 リスク資産を買って、
〇 それを5年以上保有し続けていれば、
「投資というプロセスの半分はクリアできている!」と思うのです。
その次の「翔べているか否か?」の分岐点は?
あなたもわたしも、
別に持っているお金をすべて
リスク資産に託しているわけではありません。
あなたの『全資産』は
〇 投資に回さないお金と、
〇 投資に回すお金 に振り分けられるはずです。
自分の中で意識して『ルール化』できれば、
背中に負うリスク量が明確になります。
仮に今、
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と、
「楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)」、
どっちのファンドにしようか?と
迷っている人がいるとしましょう。
当然、
「楽天・均等型」のほうが債券を半分入れているため、
オール・カントリーに比べて
価格変動の振れ幅(リスク)は小さくなります。
『リスク量』でいえば、
「オール・カントリー」>「楽天・均等型」ですね。
「オール・カントリー」「楽天・均等型」どっちがいいんだろう・・?
果たして本質的な悩みなのでしょうか?
もう5年以上
投資信託を持っていれば、
背中に背負う【リスク量】とは、
〇 投資に回すお金と
〇 投資に回さないお金を足して「トータル資産」の中で計るべきもの・・。
ということに、
うすうす気づいておられるはず。
たとえば「オール・カントリー」は、
100%株式ですから、
暴落と呼べるような最悪の1年に遭遇すると、
マイナス50%くらいになります。
一方、「楽天・均等型」は債券を半分含むため、
暴落と呼べる最悪の1年に遭遇すると、マイナス35%くらいになります。
ここからちょっと【具体例】。
横山さん(仮名)の資産内容は以下です。
〇 投資に回さないお金 550万円
〇 投資に回すお金 450万円
「楽天・均等型」
真田さん(仮名)の資産内容は以下。
〇 投資に回さないお金 700万円
〇 投資に回すお金 300万円
「オール・カントリー」
どちらのほうが背負う『リスク量』は大きいのでしょうか?
横山さんは、
投資に回す450万円部分が、
マイナス35%になる可能性があるため、
450万円×マイナス35%(マイナス157.5万円の可能性)
真田さんは、
投資に回す300万円部分が、
マイナス50%になる可能性があるため、
300万円×マイナス50%(マイナス150万円の可能性)
あんまり変わらないのです。
仮にあなたが「インデックスファンド」という道具を志向し、
国・地域の分散を心掛けるなら、
どのファンドを選ぶかよりも、
トータル資産の中でどの程度「リスク資産」を持つのか。
そのグランドデザインの決定のほうがより重要になります。
ここで大事なのは、
「オール・カントリー」それとも「楽天・均等型」
どっちが優れている? が本質ではない点です。
あなたの「性格」によって違ってくるのです。
・投資に回すお金のところでは「大波」で果敢にリスクを取れる。
ただ気持ちの安心料として、手元の安全資産を潤沢に持っておきたい人。
真田さん、です(^^)
逆に、
・投資に回すお金の部分の、
アップダウンの大きさにはけっこう敏感。「中波」くらいで無理なくリスク取りたい。
その代わり、預金と投資の『比率』は、いったん「仕組み化」してしまえば気にならないので、リスク資産の比率がそこそこあってもOK。
横山さん、なのです(^^)
あっ、両者の考えに、優劣はないのですよ!
カテゴリ:インデックス投資全般, ポートフォリオ運用