投資の発想法

改めて「2000万円問題」について思うこと

2022年4月16日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

2000万円問題とは何だったのか?

それは人生時間が延びたために、
老後に入ると2000万円お金が足りません!

ということではなく、

人生時間が延びたために、


リタイア後は月に5万円、6万円
コンスタントお金が足りなくなる可能性がありますよ、という、日本人の金融家計に対する『警鐘』を鳴らす文章だったのだと思います。

 

で、その文章とは?

 

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書
高齢社会における資産形成・管理」(PDFファイル)

 

これは一読に値します。
(年代ごとの認知症の有病率のグラフなども載っています。)

 

 

 

もちろん、月に5、6万円お金が足りない。

この数字も、あくまで目安に過ぎません。

個々人で年齢、居住地、
お金の客観的数値、キャリア、
ご家族の状況などが異なるため、
「数字」に振り回されないようにすることが大前提・・・。

 

そういう大前提ではありますが、
繰り返し述べます。

老後に入ると「2000万円足りない!」というのはミスリードで、老後の生活の中で5.5万円/月程度、お金が足りなくなります。

というのが報告書の主旨なのです。

 

 

 

 

老後に入ると「2000万円足りない!」
という言い方が好きなのでは、

メディアと、金融機関・金融業者だけではないでしょうか。←もちろん皮肉ですw

 

仮に、
金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書に謳われている『モデル夫婦』が実際いるとしましょう。
(夫65歳以上、妻60歳以上)

でも、65歳時点でホントに2000万円要るのでしょうか?

違いますよね。

 

65歳以降、
毎月5.5万円程度、
プラスアルファでお金が要るということ。

 

私たちの日常生活は、
ストック(まとまったお金)で
出来ているのではなく、
フロー(定期的に必要になるお金)で成り立っています。

 

 

 

 

メディア・金融業者が発する「老後に2000万円必要!!」
という「まとまったお金(数字)」を真に受けてしまい、

「そうだ、まとまったお金(元手)で
どうにかしないと!」と

条件反射するのが
もっともやってはいけないこと!

(既存メディア、SNS、金融業者が『イチ押し』する金融商品を一度にドーンと買ってしまう危険性が・・)

 

 

〇 遠い未来の
不確かな数字(2000万円?)を気にしても、あまり意味がありません。
〇 今、自分が始められ、
続けられる数字(つみたて金額)を大切にして、
つみたて投資を『小さく』始めましょう。

 

もしかすると、
あなたが「あたらしい投資のやり方」にたどり着くまで、

ある投資のやり方で失敗して、
(また)ある金融商品を購入してイメージ通りにはいかず、
2回、3回と『寄り道』をするようなことがあるかもしれません。

 

しかし、
あなたがふつうの生活者の
投資の王道を発見するのであれば、

それはすでに既知のものであるはず。

 

その窓口は「iDeCo」と「つみたてNISA」なのです。

 

 

 

 

冒頭の金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書から引用しましょう。

 

つみたて NISA と iDeCo の両制度とも
まずは順調に利用者が増加しているものの、

その利用は国民の一部に留まっている。

 

わが国の成人人口を考えれば、
今後さらに広く普及が進む余地も大きいが、

 

未だ十分に制度の存在を知らない層や、
知っていたとしてもその意義を
十分理解していない層も多いと考えられる。

 

 

金融庁と厚生労働省は、それぞれが連携し、
今後より一層の制度の周知に努めるとともに、

 

若年期から資産形成に取り組むことの重要性についても、
広報していくべきである。

 

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