企業型DCの『ビッグバン』がもうすぐやって来る?
2022年3月19日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
この仕事をさせていただいて、
有り難く思うことがあります。
それは
『物事は少しずつ良くなる』のを、身をもって実感できること。
つみたて投資の認知度は
わたしが東京に出てきた頃(2008年)に比べると格段に上がりました。
今では
インデックス投信で
1兆円ファンドも誕生しています。
また正直、インデックスファンドのコストが
こんなに下がるとは思っていませんでした。
あなたの「つみたて投資」もそうですが、
5年という時間で薄々感じ、
10年という月日で『変化』を実感する・・
そんなものなのです。
ただ、そういう潮流の中で
まだ「大きな鎧」をまとっているのが、
企業型DC(企業型の確定拠出年金)という制度です。
カウンセリングを実施する前に、
相談者さまに
資産の詳細情報を提出していただくのですが、
他の金融商品については
評価額まで詳しく書いてくださるのに、
「会社の確定拠出年金あり」
みたいな
素っ気ない記し方をされるケースが少なからずあります。
これは企業型DCの現実を表しているのでは?
つまり「利用者」と「制度そのもの」の距離感が遠い・・・・・。
わたしにはひとつのキーワードが浮かびます。
〇 会社は、
これまでの確定給付型年金を半ば放棄して
企業型DCを導入した後ろめたさがあります。
〇 従業員のベストインタレストではなく、
企業間の付き合いを優先して、
窓口の金融機関(運営管理機関)を決めた後ろめたさがあります。
〇 そして、
投資家のベストインタレストではなく、
窓口の金融機関の提案通りに
『金融商品』をラインナップしている後ろめたさがあります。
互いのボタンの掛け違いが5年、10年と続いてしまい、
今ひとつ盛り上がってこなかったのが、この企業型DCなのです。
でも、そんな季節も終わりを迎えるかもしれません。
企業型DCの加入者に「iDeCo」が開放されます。
(※ただし「マッチング拠出」していない人に限る)
これが意味するものは明快です。
10月から企業型DC加入者にiDeCoが開放されると、企業型DCのラインナップの「しょぼさ」が可視化されることになるのでは。
— カン・チュンド (インデックス投資アドバイザー) (@4649kang) March 17, 2022
ファンド種類の多さや継続コストの低さや、外国株より日本株の比率が(高くない)バランスファンドを目の当たりにし、企業型DCも入れ替えして欲しい❗️いう声が高まる❓🙋♂️
これまで企業型DCしか知らなかった人が
「iDeCo」を始めるようになると、
へえ~、品ぞろえが多彩だな
へえ~、REIT(不動産投資信託)のファンドも選べるんだ
へえ~、世界分散型のバランスファンドってあるんだ
みたいな『発見』の連続になる可能性があります。
(ちなみにiDeCo窓口としては、
SBI証券、楽天証券、マネックス証券がお勧めです)
最後の、
「世界分散型のバランスファンド」とは、
SBI証券iDeCo、楽天証券iDeCoなどで選べる
「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」等を想定しています。
実は企業型DCにおけるバランスファンドは、
国内株式、国内債券重視が顕著であり、
外国株式(MSCIコクサイ指数・連動)
外国債券(FTSE世界国債指数(除く日本)・連動)よりも、
国内資産の組み入れ比率が高い、
超旧来型のバランスファンドが多いのです。
→ ほんらいは「世界を中心とした」
グローバルに分散されたバランスファンドが
ラインナップされているべきですよね。
企業型DCの商品ラインナップでは
『時間が止まってしまっているケース』が多いのです。
実際あなたがiDeCoの窓口で
ファンドを選択したりしてみると、
企業型DCの商品ラインナップの
「しょぼさ」が可視化されることになります。
もちろん、
企業として日立グループのように
DCの商品ラインナップを洗練&シンプル化している会社もあります。
あるいは、労使合意によって
より手数料が安いファンドへ入れ替えを実施している会社もあります。
でも、それって(まだ)数えるほど・・・。
今年の8月、9月頃になれば、
iDeCo金融機関の『一大キャンペーン』が始まることでしょう。
実際に、
多くの企業型DC加入者がiDeCoを始めることで、
企業型DCの商品ラインナップに対して
『改善』を求める声が大きくなるのではないでしょうか。
そのとき初めて企業型DCは「ビッグバン」を迎えるのです。
カテゴリ:バランスファンド, 確定拠出年金(iDeCo・企業型)