経済よもやま話

戦争の影で暗号通貨が役立っているという事実

2022年3月9日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

暗号通貨(cryptocurrency)については、
わたしは専門外です。

どちらかというと冷めた目で見ています。

しかし、戦争という非常事態において
暗号通貨がその長所を遺憾なく発揮し、
実のあることに使われている事実を知りました。

 

ウォール・ストリート・ジャーナル
ウクライナの抵抗支える仮想通貨、戦費調達に一役

 

 

 

ウクライナ戦争は凄惨さを増しています。


そんな中、現金(キャッシュ)を持つのは現実的ではありません。
銀行もストップしATMも破壊されているわけです。

モノやサービスと交換できる媒体を広く「お金」と定義すれば、この場合、暗号通貨も立派に「お金」の役割を果たします。

 

しかも暗号通貨は地理的制約を受けず、
サイバー上に存在するため保管場所も必要とせず、
送金受金が迅速で、セキュリティー確保も可能となります。

ウクライナはもともと
IT産業の集積地を目指しており、

ウォール・ストリート・ジャーナルの上記記事によれば、

政府主導で既に電子マネーを導入しており、
またデジタル変革省も創設しており、

 

そもそもこのデジタル変革省が
暗号通貨の交換所「クナ・エクスチェンジ」に
暗号通貨による資金調達を依頼しているのだそう・・。

 

 

 

 

戦闘開始を受けてクーナの売買高は急増した。


現金自動預払機(ATM)からの引き出し制限や
公式電子マネーの利用制限、外国為替市場の停止など、

ウクライナ中央銀行が敷いた厳しい資本規制が一因だ。

 

一方で仮想通貨とクーナは、
国外からウクライナに寄付する手段にもなっており、
政府や救済活動の資金確保に一役買っている。

 

 

暗号通貨の分析会社エリプティックによると、
ロシア軍による侵攻が始まって以来、
ウクライナ政府と民間支援団体には8万9000件余りの寄付が寄せられているのだそう。

 

以下、暗号通貨の交換所「クナ・エクスチェンジ」の創設者
マイケル・チョバニアン氏のツイートです(3月4日時点)

 

 

5000万ドル分もの寄付が集まっているのですね。

 

続いてForbesの記事からです。

ウクライナに仮想通貨で60億円超相当の寄付 軍などの補給に充当

 

同記事によりますと、

仮想通貨情報サイトのコインデスクが、
マイケル・チョバニアン氏にインタビューしており、

それによると、
寄付はウクライナ軍などによる装備品や食料、燃料の購入支援に充てられている模様。

 

もちろん現実問題として、暗号通貨はダークサイド、
テロ組織や犯罪組織の者たちにも利用されています。

 

しかし暗号通貨とそれを支えるブロックチェーンという技術は(もちろん)「善」にも用いれるわけです。

 

 

これから戦況が逼迫していけば、
暗号通貨の役割はさらに増していくことでしょう。

最後にForbes記事からの引用です。
ウクライナ政府の初動が早かったことが伺えます。

 

ウクライナ当局は2月26日に、
ロシア軍との戦いを支援するための
仮想通貨での寄付をツイッターで呼びかけた。

ウクライナではこれに先だち、
非政府組織などが数日で計500万ドル
(約5億8000万円)相当超の寄付を仮想通貨で集めていた。

ウクライナ議会は同月、
仮想通貨の取引を合法化する法案を可決している。

 

 

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