個別株で成功した人の「あがり」としてのインデックス投資
2022年3月4日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
長く運用相談の仕事をしていますと、
本当にいろいろなお客様にお会いします。
インデックスファンドという「投資対象」との出会い方も、
本当に人それぞれです。
どういう意味かというと、
最初から効率的な資産形成の手法として
インデックス投資を選ぶ人もいれば、
インデックス投資にたどり着く人もおられるのです。
ふつうの生活者が
数億以上の資産を持たれる可能性として、
・株式投資
・不動産投資
などが挙げられます。
(もちろん収入が多いこと、貯蓄率が高いことも重要な要素でしょう。)
かつて日本では
不動産に投資することが
(株式投資より)高いリターンをもたらしていました。
でも今は?
株式投資、特に「個別株投資」です。
国境を意識することがありません。
(今は世界の株にあまねく投資するインフラが整っています。)
また、売り買いの際のコストも非常に低廉になりました。
保有時のコストは(個別株の場合)ほとんど『ゼロ』で済みます。
もちろん倒産リスクを含め、
大きな潜在リスクを負いますが、
個別株投資では資産が10倍、20倍になることもあり得るわけです。
数億円の資産を築いた方がたくさんおられます。
企業の高成長の果実を余すところなく享受できたわけです。
あるいは、
持ち株会を通じて億の資産を築いた人。
また会社のストックオプション権利を行使され、
億り人になった方も多くおられます。
・・今日の話はここからです。・・
個別株式をそのまま持ち続ける人もいますが、
「リスクの偏在」に気づき、
資産の内訳を自ら再構築しようとする人もおられます。
その際に候補に挙がるのがインデックス投資なのです。
たぱぞうさんが
『米国株の個別株集中投資で押さえておきたいこと』という記事内で次のようにおっしゃっていました。
かつては個別株の集中投資をしていました。
分散投資をするようになった理由は、
給与で損失を補てんできない金額を
運用するようになったからです。
要は守りの運用に入ったということです。
ここで「うんうん」と頷かれる人もいるはず・・。
資産を持たない人から見れば、
資産を持っている人は
「羨ましい~」の対象です。
しかし実際数億の資産を持つということは、
その数字の重みに耐えがたいプレッシャーを感じることでもあります。
20000万円 ← ゼロ4つです
が、
万一、半分の10000万円になれば、
いや万万が一、1/4の5000万円になってしまえば一体どうすればいいのか・・・。
これは誰にも言えない悩みです。
わたしなどから見ると、↑
「それでも5千万円あるじゃないですか!」と言いたくなりますが(笑)、それは物事の本質ではないわけです。
金額ベースで桁外れの大きなお金を失う可能性も発生してくるということ。
ここに至って
『一極集中』で資産を増やされた人が、
枕を高くして眠るために、
リスク軽減の手法に着目するようになります。
つまりインデックスファンドは、
果敢にリスクテイクしてきた投資家にとっての「あがり」の投資対象になり得る。
(わたし自身、カウンセリング業務を行っていなければ、このような需要には気付かなかったでしょう)
乗り換え先の対象として、具体的には
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が挙げられます。
※3月9日付けでロシア株式がMSCIの組入れから除外され、
上記インデックスファンドは
先進国23ヵ国、新興国24ヵ国、計47ヵ国の株式組入れとなります。
3000銘柄近くを保有する上記ファンドへの乗り換えは、文字通りドラスティックな『方針転換』となります。
また、
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)も候補になるでしょう。
上記バランスファンドについては、
個別株投資をされてきたお客様が、
「全天候型。過剰も不足もない。こういう金融商品があるのですね」
と驚いておられました。
このような大胆なお引っ越しを実施することで、
実はこの先、
『資産の取り崩し』においても大きな威力を発揮することになります。
全世界株式ファンド、8資産均等型ファンドなど、
広範な分散を施すインデックスファンドでは、
文字通り「金太郎飴」のように、
小さな売却にも、大きな売却にも、
あるいは定期的な、
何十回、何百回と分けて自動売却するようなニーズにも(投資信託定期売却サービス)、
従前とまったく同じ「リスク量」を負いながら、応えることが可能になります。
「あがり」としてインデックスファンドに乗り換える戦略は、まさに賢者の選択だと思うのです。
カテゴリ:リタイアメント・資産の取り崩し, 投資の発想法