82歳時に資産が8800万円。でもそれは「こころの負債」なのかもしれません
2022年3月3日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
先月、芥川賞作家の西村賢太さんが亡くなられました。
(まだ54歳でした)
西村賢太さんと
芸人の山田ルイ53世さんとの対談を偶然発見して、
たいへん有意義な内容でしたので
ここであなたとシェアしたいと思います。
〇山田さん
(『中年』になって、今の心境的には)
・夏休みの最後の1週間になって、めっちゃ宿題がんばる感じ
・40歳を過ぎてからは、
「もう、冷蔵庫の中にあるものでやるしかない」という感じ
〇西村さん
・50代に入ってから先が見えてきて、
これから先、自分の人生には(もう)劇的な変化が起こらないことを悟った。
西村さんはこう言います。
それなのに、
まだ書きたいことは山ほどあるし、何も残せていない。
そう思い至ったとき、50歳になって、
ようやく「真剣に生きる」ことを具体的に意識し始めたんです。
・・この感覚、よーく分かります。
いろいろなモノ、コトを目の前に並べて「優先順位」を付ける。
重要度が低いモノ、コトは「引き算」してサヨナラする。
わたしも50を過ぎて、
自分の歩む道が定まってくる感じを、
(こころの中で)ひしひしと感じています。
山田ルイ53世さんが言うように、
冷蔵庫(自分)の中に今あるモノでやっていく感覚とは、
まさに『自分の棚卸し』だと思うのです。
そこで、あなたに質問です。
意識していますか?
もちろん人によって「それ」は違うでしょう。
が、結局のところ、
あなたの棚にあるのは、
あなた自身がこれまで積み上げてきた『モノ』ですよね?
今まで積み上げてき経験知が
自分商店の「棚」に並んでいるわけです。
わたしが感銘を受けた書籍『DIE WITH ZERO』では、
人生は経験の合計だ。
と喝破しています。
今のあなたを作っているのも、
今までの経験の積み重ねと(その化学反応)であるはず・・。
「コレを経験してやろう!」と思っていることがありますか?
「いや、言いたいことは分かるけど、
今いろいろ立て込んでて、ちょっと余裕がないので・・」
と言っている間に、
あっという間に
2028年になっちゃいますよ(笑)
ちょっと関西弁、いいですか?
やったことしか残らへん。
この「やったことしか残らへん」を、
書籍『DIE WITH ZERO』では、
人生とは結局のところ思い出作りだ。
と(また)喝破しています。
経験というものは、
「時間」があれば
「お金」があれば
いつでも出来るよ。と思ってしまいがちですが、
しかし「経験出来ること」にも『賞味期限』があります。
たとえば一例ですが、
日々体の衰えを感じる54歳(ワタシ)としては、
果たして60歳を超えて
飛行機に13時間乗って、フランスまで行けるだろうか?と真面目に心配になります。
なのでさっき思わず、
11月の大阪・パリ往復チケットを予約しかけてしまいました・・(^^;
私たちは一人ひとりが、
⇒ それがあなたのライフプランニングです。
また、あなた商店の棚にある「経験」は、
その一つひとつが
再咀嚼することが可能です。
書籍『DIE WITH ZERO』によれば、
「経験」も時間が経つにつれ、
複利の効果を及ぼすそうです。
つまり、一つひとつの経験(思い出)は、
『時間』という名の発酵を通じて奥行きの深い体験に深化し、
また別の経験につながり、それが化学反応を起こして、
あなたの論理や思想にまで昇華したりする可能性もあるのです。
ちょっと想像してみましょう。
資産が8800万円ほどあったとします。
資産運用的にはノーミス、出来すぎでしょう・・。
しかし、もしかすると、
この8800万円という「数字」は
あなたの『こころの負債』になり得るかもしれません。
このお金を用いて買えるはずだったモノ、
このお金を用いて出来るはずだったコト(経験)を
未経験のまま82歳を迎えた・・と捉えることも可能なのでは?
海の向こうの
悲惨な戦争の実態を見聞きするにつけ、
いつ何時、
やりたいこと(経験したいこと)が出来なくなるかもしれない・・と、少し恐怖する自分がいます。
やれることには「賞味期限」があって、
それを叶えることが、資産運用の大切な「役割」のひとつなのです。
最後の「おまけ」。 in 倉敷阿智神社
カテゴリ:100年ライフプラン, お金の摩訶不思議