ETFは国際商品、インデックスファンドはローカル商品です
2022年2月17日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
S&P500のインデックスファンドも、
S&P500のETFも
ファンドの中身は『同じ』です。
ゆえに
(継続コストの違い、分配金の有無の違いはあれど、)
期待リターンもほとんど『同じ』です。
ただしETFとインデックスファンドでは
道具としての『特性の違い』があります。
ズバリ、
ETFは国際商品、インデックスファンドはローカル商品なのです。
何人の『ユーチューバー』が、
もう、たくさんです。
「それはみんなアメリカ人?」
いえいえ、もっとワールド・ワイドです。
・スペイン語
・ドイツ語
こちらではVanguard FTSEのETFを紹介。
・ヒンディー語?(インド)
インドは海外への投資に制約があるため、
VTIを包み込んだファンド・オブ・ファンズ形式のファンドについて解説。
・韓国語
・中国語
オーストラリア在住の中国系の人をターゲットにしている模様。
こちらではIVV(i シェアーズ・コアS&P500ETF)について解説。
・台湾華語?
こちらはVTI (先鋒總股票市場ETF)のみならず、
VXUS (先鋒國際總股票ETF)や
VT (先鋒全球總股票ETF)についても解説しています。
どうでしょう?
各言語の意味は分からなくても、
動画の中の「ETF」の発音はクリアに入ってきますね(^^)
世界のどこに住んでいようと
VTIやVanguardという言葉が『共通語』になっているのです。
これはちょうど、
貴方が世界のどこに住んでいても、
アップルのiPhoneや
グーグルのサービスのユーザーとして(他のユーザーと)『共通認識』を持てることと似ています。
つまりは「グローバルな商品」を利用しているよ、という感覚です。
イギリスの『ユーチューバー』が
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の解説をしたりはしません。
なぜなら、
Slimオール・カントリーは、
海外に輸出しない限り、
海外の人たちは買えないためです。
逆の立場から見ると、
日本人が買える海外のファンドとは
日本に輸入されているモノのみであり、
それは『外国籍投資信託』と形容されます。
『バンガード・トータルストック・インデックス・ファンド』のほうは、基本米国居住者でないと買えません。
つまり、ETFは国際商品、インデックスファンドはローカル商品なのです。
(念のため、)
これは商品としての優劣を示す特性ではありません。
分配金なしという運用の効率性、
積立のみならず自動取り崩しサービスも利用できる利便性を評価して、分配金なしのインデックスファンドをより優れたツールと認識しています。)
次は、
ファンドを『ビジネス的』に見てみましょう。
実はVTIを購入する日本人投資家が増加の一途をたどっても、日本の金融機関が潤うわけではありません。
ETFの信託報酬は『受託会社』と『運用会社』が分け合うのみで、販売会社は存在しないためです。
たとえばあなたが楽天証券でVTIを購入する際は、
楽天証券が米国の証券会社(あるいは自社の関連子会社)に売買の取次ぎを依頼しているはず・・。
(『運用会社』はあくまでバンガードであり、楽天証券には為替手数料、売買委託手数料は入ってきますが、それほど儲かるビジネスとは思えません。)
これは日本の携帯ショップが
いくらiPhoneをたくさん売っても、
一番儲かるのはアップルである。という構図と似ています。
バンガードやブラックロックといった巨大な運用会社は、
世界中のユーザーを惹きつけ、
ETF業界のGAFAM的存在となっているのです。
米国上場ETFをメイントピックとしている『ユーチューバー』の皆さん。
これからビジネス的には黄信号点滅かもしれません。
例えば、
『VTI Vanguard total stock market ETF』とYouTubeで『検索』すると、
以下のような、
アメリカ人の「動画」が出てきます。
が、説明文は?
『日本語』になっていますね。
(まだちょっとヘンな日本語ですが・・)
これはおそらく
動画設定で「字幕」アリにしているためと思われますが、
本動画を観る際に、字幕「日本語」とすると、まだ不完全ではありますが『日本語字幕』も出てきます。
つまり?
つまり、今後YouTubeの『翻訳機能』が改善されていけば、
VTIについて動画解説するとは、
世界中の『ユーチューバー』と同じ土俵に上ることになるわけです・・。
カテゴリ:インデックス投資全般