ポートフォリオ運用, リタイアメント・資産の取り崩し

誰にも分かりやすい『リスク量』を下げる方法とは?(特に昭和39年~42年生まれのあなたへ)

2022年2月10日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

若い頃は長い投資可能期間があり、
また稼ぐチカラも十分にあって、

背中に目一杯「リスク」を負って果敢に攻めるタイプだったあなた。

しかし加齢とともに
ただ「攻める」だけではなく、
「守り」にも留意しなければ・・と思い始めたりしていませんか?

(あっ、資産運用のお話ですよ。)

 

 

 

 

点数を稼ぐだけではない
失点を防ぐことも重要なんだという『視座』は、

実際「年」を重ねてみないとなかなか会得できません。

 

あえて昭和の元号を出してみましょう・・

昭和39年
昭和40年
昭和41年
昭和42年生まれ位のあなたは、

 

少しアクセルを緩めて、
守りのほうも堅めながら資産運用を続ける・・
つまり、
ご資産全体の『リスク量』を下げ始める時期に来ているのでは?

 

 

そう、具体的には
資産全体を少し保守的に再構成するということ。

??

 

今(もし)ちょっとお時間があるのなら、

 

1.保有金融商品を棚卸しし
2.「安全資産」と「リスク資産」に区分けし、
3.「安全資産」と「リスク資産」の比率(%)を出してみませんか?

 

 

 

 

「安全資産」とは
その名目価値が減じることなく、
元本が保証されている商品ですから、

円建ての預貯金、
利付国債、個人向け国債等というふうに
かなり狭めの選択肢となります。

「リスク資産」とは
名目価値が変動するあらゆる商品を指します。

 

以下では説明をシンプルにするため、
あなたが現在、

安全資産) 『預貯金』
リスク資産)『投資信託』をお持ちと仮定します。

 

準備はいいですか?

では『リスク量』をコントロールする方法とは?

 

その1)
投資信託そのものを乗り換える

 

シンプルに、
債券と株式を組み合わせたバランスファンドより、
株式100%のファンドのほうが『リスク量』は大きいです。

(その代わり期待リターンも高くなります)

 

同じ安全資産の割合なら、

安全資産(預金)とリスク資産(株式100%ファンド)= 3:7から、
安全資産(預金)とリスク資産(債券と株式を組み合わせたファンド)= 3:7に移行することで『リスク量』を下げることが出来ます。

 

 

 

 

要は・・
保有するリスク商品の「お引っ越し」です!

 

株式100%ファンド → 債券+株式のバランスファンド
(既存の金融商品)   (引っ越し先の投資信託)
そのこころは?
セカンドライフに向けて、より保守的な資産構成を今から作り始めるということ。

 

この場合の引っ越しの仕方は?

 

すでにリスクを有する商品群を保有しており、
引っ越し先は現状より『リスク量』が減じるファンドであるため、

「一度に売って → 一度に買い付け。」
というお引っ越しでまったく問題ないと思います。

※ただしそれなりのエネルギーが要ります。

 

 

その2)
リスク資産の比率を下げる。

 

ここもシンプルにご説明します。

 

あなたはリスク資産として
「全世界株式インデックスファンド」を保有しているとしましょう。

トータル資産の中で、
安全資産(預金):リスク資産(世界株式ファンド)= 3:7 となっています。

 

アクセルを少し緩め、
守りも意識した資産管理に移行するため、

上記を、
安全資産(預金):リスク資産(世界株式ファンド)= 5:5 に移行するのです。

すなわち?

 

相当額の全世界株式インデックスファンドを『売却』し、
そのお金を「預貯金」にシフトさせることになります。

 

 

 

同じ投資信託を持ち続けながら、
「リスク資産」の比率を下げることで
背中に負う『リスク量』を減らそうという戦略です。

こちらも、
「一度に売って →」というお引っ越し方法で問題ありません。

 

 

あるいは、
資産の総額が大きい人は、
ファンドの売却額も数千万円単位になるかもしれませんので、
20ヵ月~50ヵ月位かけて、
段階的に売却していってもOKです。

 

 

 

 

閑話休題

 

 

実際、上記のような『リスク量』の調整作業は、

株式市場が比較的堅調な時こそ、
つまり、含み益が潤沢にある時こそ「実施」がしやすいとわたしは思います。

 

たとえば今年55歳を迎えるあなたにとっては、

「資産全体を保守化するなんて早すぎるよ!」と感じられるかもしれませんが、

余裕を持ってアクセルを緩めておくことは、
=『リスク量』を合理的に下げておくことは、

今が一大チャンスであり、のちの老後の生活内で「あー、あの時シンプル化しておいて良かった」と振り返ることができるはずです。

 

 

(あと、支払う税金の額が半端ないよ!という声も聞こえてきそうですが、
これも、万が一数年後に投資信託の譲渡益に対する課税、この『税率』が上がっていたりしたら、資産全体の保守化への「ハードル」は何段も上がってしまいます。)

 

 

そしてさらに、

効果的に『リスク量』を下げる方法とは?

あっ、
もうお分かりですね・・、

 

その1)投資信託そのものを乗り換える と、
その2)リスク資産の比率を下げる を、
同時に行うやり方です。

 

 

 

 

以下、具体例を・・。

安全資産(預金)とリスク資産(世界株式ファンド)= 3:7を、
安全資産(預金)とリスク資産(株式50:債券50のバランスファンド)= 5:5 に移行させる。

 

ここでは、

株式100%ファンド → 債券+株式のバランスファンド
(既存の金融商品)   (引っ越し先の投資信託)

という『乗り換え』を行いながら、

既存ファンドの売却分の「一部」を(わざと)預貯金にシフトさせるわけです。

 

そうすることで「安全資産」の比率を高めます。

今年55歳のあなたにとって「60歳」は5年後です。

これから数年をかけて『リスク量』を下げていく引っ越しを敢行する・・
その前提に立てば、決して早すぎる作業ではないと思いますよ。

 

逆説的ですが、
早めに資産全体を保守化しておく真の理由とは?

 

66歳、73歳、80歳になっても、

 

「市場に長くリスク資産を置いておくため。」

 

そのために、今からわざわざアクセルを緩めておくわけです。

それに資産の中身をシンプルにしておくほうが、
やがて来る『資産の定期的な取り崩し』も実行しやすくなります。。

カテゴリ:ポートフォリオ運用, リタイアメント・資産の取り崩し

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