お金の増やし方は普遍的だが、お金の使い方は個別的である
2022年2月9日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
よほどの名家でもない限り
4代、5代くらい遡れば、
どんなご家庭も
ご先祖様はだいたい百姓をされていたのでは?
ちなみに『80日間世界一周』が書かれたのは1873年のこと。
この頃日本では明治6年です。
当時、日本の人口の8割以上が農民で
ほとんどの人は田んぼと家の往復で、
自分が住む村とその周辺が、人生で見えるほぼ『全ての景色』だったのではないでしょうか。
「今日ごはんがちゃんと食べられるかどうか・・」という懸念と共にありました。
(みな貧乏だったのです..)
したがって、ほとんどの人は
「お金持ち」という状態がどんなものか、
自分事としてイメージすることが出来ませんでした。
また、私たちの記憶の濃さと
世の中の移り変わりの間には、しばしば「ズレ」が生じます。
実際、世の中は猛烈な勢いで変化し、
そして、日本は驚くほど豊かになったのですが、
未だ私たちの脳裏には、
先人から受け継いだ貧しい時代の『記憶』が残っているのです。
つまり、
実際にそこそこお金持ちになっても、
どんな身の振り方をすればよいのかちょっとよく分からない・・」
というのが正直なところ。
お金持ちになってはみたものの、
お金持ちになってからの『歴史的時間』が短いために、
多くの人が『お金』を持て余している状態に陥ります。← なので金融資産が増えるわけです。
これまでお金持ちの「お金の使い方」は
あまりにも単一的かつ表面的でした。
たとえば『お金持ち』になったら・・、
・大きめの家を建てる。
・いいクルマを買う。
・派手な服を買う。宝飾品を買う。
・海外旅行に行く
・投資をする。
ハイ・・
『お金持ち』になったらすることの典型例として、投資をするがあります。
これって従来からある『固定観念』そのものだと思いませんか?
・・本当は正しくないのですよ。
『投資は、お金持ちになるためにすることですから。』
・すごい家!
・煌びやかな宝飾品!
・思わず振り返るようなクルマ!
これらは視覚的でわかりやすく、
誰にでも認知しやすい『お金の使い方』です。
(そして)時代は下っていって、
そこそこお金持ちになる人が増え、
かつ、お金持ちになってからの『時間の蓄積』も長くなると、さまざまなタイプの「お金持ち」が出現し始めます。
たとえば、
・お金持ちには見えないお金持ちの人。
あるいは、
・(世間的には)ほんとに価値があるの?
と思われるようなものに価値を求める人。←けっこう大胆なお金の使い方をする。
また、
・お金持ちになったあとも、
輪をかけてビジネスに邁進する人。←すでにお金がツールと化している。
あるいは、
・寄付行為、社会的活動にのめり込んでいく人。
またあるいは、
・(お金持ちである長さに比例して、)
どんどん謙虚にそして地味になっていく人。
さまざまなタイプのお金持ちが出現するのは良いことだと思います。
世の中が『豊か』になった証拠だからです。
でも、結局のところ、
『お金持ちの人』にとって
どんなお金の使い方が出来る?という『宿題』は残されたままなのです。
わたしはこの仕事を通じて思うことがあります。
それは、
お金の使い方は個別的である。
ということ。
先ほど、「ほんとに価値があるの?」と思われるようなものに価値を求める人。を挙げましたが、
お金を使うことは、お金を増やすよりも何倍もエネルギーと突飛な発想が求められると思うのです。
なんと言いますか、人間の本性が炙り出される行いなのでは?
つまりNetflixでドラマになりやすいのは?
断然、お金を増やすほうではなく、お金を使うほうの話だと思います。
カテゴリ:お金の摩訶不思議