気持ちの投資「社会欲」を含めたポートフォリオがあってもよいのでは?
2022年2月4日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
モーガン・ハウセル(著)
『サイコロジー・オブ・マネー』の中で、
学問的に何を知っているかより、
どう振る舞うかのほうが重要である。
という主旨のことが書かれていました。
たしかにそうですね。
どう振る舞うか → シンプルな習慣に終始できるかどうか。
だと思います。
特に資産運用の分野では、
高い知性や並外れた知識を持っている人が有利というわけではなく、
Disciplineと云ってよいと思いますが、
暮らしの中で「規律」を保ち、
その流れの中で投資も「しくみ化」してしまう・・、
それ以上複雑なことはしない。
そして一度決めた「しくみ」を壊さない。
(複雑で込み入った、
三次方程式的な絶壁に挑む・・そうでないと大きな利益は上げられない・・というのは、単なる思い込みです。)
―長期・分散・低コストー
(分散には時間分散=積立を含む)
この基本を実践できれば(あとは、)
〇 何を買うのか?より、
〇 どう組み合わせるか。
具体的には、
各投資対象をどのくらいの『割合』で持つべきなのか?という、組み合わせ的思考(ポートフォリオ思考)が大事。
それにプラスして、
隠し味として
あなた色の「何を」「どのくらいの比率で」付け加えたいか?を自問すればよいのです。
例えば、
本当にずっと京王電鉄にお世話になっていて、
京王沿線に住んでいて、
これからも住まい続けるのであれば、
京王電鉄の「株式」を、
ポートフォリオの10%程度持ち続けるというのはアリでしょう。
(株主優待もありますし)
また、
アドバイザーとして積極的に勧めるわけではないですが、
あなたが今働いている会社が好きで、
自分の会社の株式を持ち続けることで
仕事へのやりがいやインセンティブが高まるようであれば、
ポートフォリオの10%程度「自社株」を持ち続けると決めて、規律を持った資産管理を行うというのもOKだと思います。
繰り返しになりますが、
〇 何を持つのかという問い掛けより、
〇 どのくらいの割合を持つのか?という決定こそ、
投資に「規律」を持たせるコツです。
・・これこそ『どう振る舞うか』の実践ですね。
以前にeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を『大波』、
楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)を『中波』という言い方をしましたが、安全資産(預貯金)を『無波』とすれば、
ポートフォリオとは、
『無波』『中波』『大波』の組み合わせとも云えます。
あっ、これだけでも全然OKなのですよ。
でも、上記にプラスして
あなたの「気持ち」を加味する・・
いわば「社会欲」であり、
マネーを供する行為を指します。←一般には寄付、贈与などと呼ばれます)
例えばブログをいつも拝見する「夢見る父さん」さんは、
さまざまな形で寄付をされています。
これって気持ちの投資ですよね。素晴らしい。。
あなたも投資をコツコツ続けてきて、
リターン(見返り)というものには、
「金銭的なモノもあれば、そうでないモノもある。」という空気を感じ始めているのでは?
自分のポートフォリオを、
のように規律するのも(もちろん)OKなのです。
また『気持ちの投資先』は、
別に「機関」や「財団」のようなものに限りません。
姪っ子の大学院進学のために資金援助したり、
毎夏登る北アルプスの山荘の修繕を呼びかけ、
そこに資金提供したり、
新しい美術館建設のために5口分寄付したりするのも、立派な(社会欲)です。
投資信託の積立を始めて10年以上経った人は、
自分にとっての『気持ちの投資とは?』を考え始めてみる好機かもしれませんよ。
カテゴリ:ポートフォリオ運用