ロナルド・リードさんが9億円超の資産を築けた秘密は、DRIP(ドリップ)「Dividend Reinvestment Plan」にあり その2)
2022年1月24日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
さて、ドリップ(DRIP)
『配当金・自動再投資制度』は
アメリカの多くの証券会社で導入されています。
この制度を用いれば、
昨日の主人公、ロナルド・リードさんが実践したように、
個別株の「配当金」は
ただもらうだけでなく、
株を買い増す「原資」となります。
本来インカムである「配当金」を、
未来の大きな「キャピタルゲイン」を得るための「原資」と見なせるわけですから、これは証券投資の新たなカルチャーそのものでは。
日本のネット証券さん、聞いておられますか?
仮にあなたがアメリカ人で、
1998年頃、
P&Gの株式を『1株』取得したとしましょう。
当時のP&G社の株価が37ドルだったとしましょう。
もしもP&Gが年に4回
1株につき0.47ドルの「配当金」を出していたとしたら?
年間で1.88ドルです。
このお金(1.88ドル)を、
株価37ドルのときに
仮に『DRIP』で自動再投資できたとすると・・
(課税なし・無手数料ですよ。)
保有株数が0.05株分増えることに・・。
(したがって)あなたの保有株数は『1.05株』になります。
あなたが1.05株分のP&G株を保有する中で、
また1株につき
年1.88ドルの「配当金」が出たらどうなりますか?
今は1.05株分を保有していますから、
年間でもらえる「配当金」は(1.88ドルではなく)
1.974ドルに増えます! あら不思議。
そして、この配当金を
もしも株価が37ドルのときに「再投資」できたとしたら・・
保有株数は0.053株分増えて、
1.05株プラス0.053株 = 1.103株になります。
ここは1000倍にしてイメージすると
分かりやすいでしょう。
最初「1000株」だったものが、
たった2年間で保有株数が「1103株」に増える可能性があるということ・・。
「配当金」を自動再投資できるとは、
株式を積み立て投資していくようなイメージなのです。
ココ、伝わっていますか?
これこそ真の「複利効果」。
たとえ株価が下がっていても、
その時点で「配当金」が出れば、
同じ「配当金」でもより多くの「株数」が買えることになりますね。
ドリップ(DRIP)の仕組みが、
投資家が目先の「株価」を気にするより、
保有する「株数」をコツコツ増やして長期投資しようという『発想』を誘発しているのです。
「株価」そのものの成長と、
保有する「株数」の成長によって
ロナルド・リードさんは
9億円超の資産を築くことが出来ました。
以下、リードさんの紹介動画です(英語)
本当に小さな「プラス」でも
少しずつ『足し算』を続けていけば、
自分自身が成長し、見える景色が変わってくるという、
ドリップ(DRIP)といっても
実際は仕組みが勝手に、
無手数料で『追加投資』してくれるので、
投資家がするべきことは長期保有を続けるだけ・・。
今年の4月から高校の家庭科で『金融教育』が始まりますが、
上記のような、株式投資のダイナミズムにもぜひ触れていただければなぁと思います。
最後に、
ロナルド・リードさんは亡くなられた際、
その遺志によって
地元の病院と図書館に600万ドル以上を寄付されています。