質の高い住宅を安く借りる方法(分譲貸し×定期借家)
2022年1月21日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
とかく賃貸住宅はクオリティーが低いと言われます。
が、わたしはずっと賃貸暮らしです。
では、質の高い住宅を借りる方法とは?
住宅ポータルサイトの「スーモ」
「スマイティ」「アットホーム」などの『賃貸版』では、
「分譲賃貸」という検索項目があります。
(アットホームでは「分譲タイプ」と云います)
ここにチェックを入れてマンションを探してみましょう。
おそらく地方よりは
首都圏、東海圏、近畿圏などのほうが、
賃貸物件の「件数」に占める「分譲貸し」の比率は高いはずです。
なぜなら、
人の『流出入』が(そこそこ)あるためです。
賃貸用として建設されたマンション、
たとえば家主の名前が付いている
「吉村マンション」とか、
ダイワD-room、シャーメゾン(積水ハウス)などに比べると、分譲マンションは躯体、設備とも充実している場合が多いです。
(わたしは引っ越しも結構していますが、
ずっと分譲タイプを借りてきました)
その反面、分譲マンションは
賃貸用に作られたマンションよりグレードが高いのに、
マーケットに出される際は
『賃貸用物件』というひとつのカテゴリに括られてしまいます。
なので?
「賃料の差別化」がしにくいのです。
※これは借りる人にとっては有利になります。
そして、
クオリティーが程よい住宅を『安く』借りる方法とは?
「定期借家」だと思います。
定期借家を詳述する前に、
日本の「賃貸借契約」ってどうなっているの?をちょっと『復習』しておきましょう。
居住用住宅の賃貸借契約では、
(2年間とか契約期間は明記されていますが)
家主側は『正当な事由』がない限り、
借家人が住み続けるのを拒むことが出来ません。
レンタル期間の定めがない「住宅レンタル契約」となっているのです。
※いっぽう私たち「借家人」からは、
契約を解除する旨いつでも申し出ることが出来ます。
この、
戦争中の「借家法改正」(1941年)にまで遡ります。
兵士(主人)が戦地から戻ってきたときに
万一借家契約が終了してしまい、住む家がなくなっては困る・・
これを回避するための法律改正だったのです。
それにしても、
家主側(オーナー)にとっては酷です。
いつレンタルが終了するか「分からない」わけですから。
家主は自衛手段として
入居審査(今は多くが「保証会社」による審査)をある程度厳しくせざるを得ません。
また賃料についても、
「今年は消費者物価指数が1%上がったので、賃料を1%上げますよ」とか、柔軟性に富んだ『賃料改定』が非常に難しいのが現状なのです。
(たとえば同じ借家人が8年、9年と住み続けた場合でも、賃料を上げるのは至難の業。)
したがって家主側は
諸々のリスク要素を含めて「最初の賃料」を設定します。
はっきり言えば(最初から)高めの設定なのです。
いっぽうの「定期借家契約」とは?
更新は基本ありません。
「定期借家」はポータルサイトの
『スマイティ』『アットホーム』であれば、
詳細検索で「定期借家のみ」を選択することができます。←おススメ。
物件数はそれほど多くはないのですが、
人の出入りが活発というのが理由のひとつですが、
ほんらい、レンタルの期間が定まっている契約が、もっとも合理的であるためです。
(社会のあり様の最先端を走るのは、いつも東京なのです。)
とはいえ現状は?
賃貸住宅(件数)の大多数はまだ『通常の借家契約』です。
「定期借家」の物件は通常の借家契約より
10%~15%程度安い賃料設定になっていると思われます。
しかし、です。
これから10年、15年を経て
賃貸物件の「件数」に占める「定期借家」の比率が増えていけば、
(特に首都圏ではその可能性が高い。)
定期借家物件の『割安感』は徐々に薄れていく可能性があります。
実は今、
わたしが岡山県で借りているのが「定期借家」です。
(戸建てですが。)
契約期間は4年。
レンタル期間が定まっているため、更新料という概念はありません。
(そもそも岡山県には「更新料」という慣習がありません)
が、首都圏では
通常、家賃1ヵ月分の「更新料」がありますよね?
「定期借家」は1度きりの契約で
更新料という概念がないため、
分譲タイプのマンションを
『定期借家』3~5年契約などで借りると、
リーズナブルな条件になり得るのではないでしょうか・・。
また「定期借家」でよく懸念されるのは
たとえば定期借家(3年間)契約をして、
1年半で退去してしまうと、
残りの1年半分の賃料も、払わなければならないのでは・・?という点です。
この点については
借地借家法第38条5号に以下の条文があります。
5 第一項の規定による居住の用に供する建物の賃貸借(床面積(建物の一部分を賃貸借の目的とする場合にあっては、当該一部分の床面積)が二百平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から一月を経過することによって終了する。
要は、借家人にやむを得ない事情があり、
借りた建物を使用することが困難となった場合は中途解約が可能であるということです。
わたしが結んだ契約では、
契約締結後2年未満で退去する(中途解約する)場合は、
家賃1ヵ月分を違約金として支払う旨記述がありました。
契約上の細かい部分の留意は必要ですが、
質の高い住宅を安く借りるのに「分譲タイプ」×「定期借家」という選択肢がありますよというお話でした(^^)
カテゴリ:100年ライフプラン