NISA活用法

つみたてNISAで売りたくなっている人、いませんか?

2022年1月11日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

積立投資も人生と同じで
「よい年」と「悪い年」の不規則な連続であります。

通常口座(特定口座)での積立でも、

2007年、2014年、2017年など、
マーケットが好調なときは

 

「カンさん、
わたしの投資信託どうしましょう?」

 

「一度売ったほうがよいのでは?」

 

というご質問を頻繁にいただきました。

 

 

株式市場がどんどん上昇し、
何十万円も『利益』が積み上がっている。

人によってはそれだけで「そわそわ」してしまうものなのです。

 

 

 

いや、『状況』をより正確に描写すれば、
2007年、2017年などの上昇相場の「翌年」

マーケットが下がり始めたあたりがもっとも「そわそわ」してしまうものです。

 

せっかくこれだけの『利益』が積み上がったのに、
先週も今週も下落基調で、
『利益』の数字が少なくなりかけている・・

まさにそういう時こそ、

「も、もしかしたら、取りあえず一回売ったほうがよいのでは?」

という悪魔の声が囁くのです。

 

 

 

「儲けを確定させたい!」という抑えがたい衝動、これはすごく分かるのですよ。

なぜなら
何十万円、何百万円もの『利益』が積み上がるのは非日常的なことであり、

日々の暮らしの思考から、どうしても逸脱してしまいがちになるためです。

 

でもです・・・

「じゃあ、売却されたあと、
そのお金はどうされますか?」

とわたしが伺うと、

 

答えに窮するお客様もいれば、

 

「んー、またつみたて投資をします。」

 

と答えられる人もおられます。

 

えっ?

売却したお金は使わずに、また積立に回すのですね・・

 ↑これは口には出しません。

 

 

それでは、つみたてNISAの場合はどうでしょう?

 

お断りしておきますが、
通常の口座(特定口座)の場合は、

利益が膨らんでいる場合にファンドを売ってしまうと、そこそこ税金(TAX)がかかってきます。

けっこうな額の税金を支払うのは「もったいないなぁ」と感じる部分があるので、

それが『抑止力』となって、

 

たとえば今のような状況、

2021年の『超強気相場』のあと、
22年の初頭、株式市場が不安定になりかけ「売ってしまいたいな・・」と思っても、なんとか思い止まることが可能になるわけです。

 

 

ところが「つみたてNISA」の場合はどうでしょう?

 

つみたてNISAは『利益』に対して非課税という恩恵があるため、
余計に売りたくなってしまうのです。

 

2018年から「つみたてNISA」を始めた人は
丸4年が経過しているはずです。
年40万円(満額)を4年間積んできて、

元本160万円が(たとえば)250万円くらいに増えている人もいることでしょう。

けっこうな利益です。

 

【今、売ったら、
90万円の利益がすべて非課税ですよ!】

これこそ、本当の悪魔の声です(^^)

 

もちろん、今売ってしまえば、

 

 


2018年、2019年、2020年、2021年の『非課税の枠(20年という時間スパン)』を、すべて使い切ることになります。

単純に考えれば、

42.195キロのマラソンの、
「5キロ地点」くらいでいったん立ち止まってしまうようなもの。

 

 

とてももったいなく、絶対にやってはいけないことですが、

【今、売ったら、
90万円の利益がすべて非課税!】という誘惑、

そして、2022年初頭の株式市場が不穏な動きを見せているという事実が、重たくのしかかるのです。

・・・ここは『試練』ですね。・・・

 

繰り返しですが、
通常の口座(特定口座)では、

税金(TAX)という厄介な存在がいるために、

投資信託の解約に『抑止力』が働き、長期投資を貫きやすいのです。

 

悪魔の声に耳を貸さないよう、つみたてNISAという仕組みの中で「厄介な存在」をあらかじめ作っておく必要があります。

 

 

その厄介な存在とは?
20年後のあなた自身、です。

 

いつかは必ず訪れる「20年後の世界」から、あなた自身が「おーい、ちゃんと長期の視点で積立やってる??」と声を掛けているのですよ。

 

『売りたい病』にかかりやすいのは
特定口座より、つみたてNISAなのです(くれぐれもご用心、ご用心)

カテゴリ:NISA活用法

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