米ドルを持ってるので、米国上場のETFを買おうかという発想は「×」です
2021年12月25日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
以下、今でもよくあるご質問です。
あるいは外貨預金を解約して、
あるいは駐在していた米国での給与が積みあがっていて、
これって米ドル建ての投資信託やETFを買ったほうがいいですか?
フム。
日本円ではなく、
「米ドル」を持っているので、
そこに何か『特別な意味』があるように感じてしまうお気持ちは分かります。
でも、回答としては、
「米ドル」にはこだわらないほうがいいですよ。となります。
(他の通貨の場合でも同じですよ。)
こんな想像をしてみましょう。
あなたが日本国内の
『公募の投資信託』を買うとき、
ふつう「日本円」を出してそれを買います。
このファンドも、そうです。
じゃあ、オーストラリアの人はどうでしょう?
オーストラリアにも
たくさんの投資信託がありますが、
『オーストラリアドル』を出して、
たとえば「アメリカ株式ファンド」を買ったりしています。
ココ、伝わっていますか?
投資信託を買う時、売る時の「決済通貨」は、
『通貨』ということになります。
ただ、それだけのこと。
あなたがたとえ「日本円」で、
「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」を買っても、
ファンドを購入した瞬間に、
当該ファンドが内包する
先進国22カ国、1400近い外国の株式のみを保有する人になります。
そう、立派に
「100%外貨建て資産」を持つ人になるのです。
(保有通貨は? 10通貨近くに分散されます・・)
じゃあ、
シドニーに住んでいるギブソンさんはどうでしょう?
仮に彼が『オーストラリアドル』を出して、
同じ「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」を買ったとしても、
最終的に『何を保有するか』は
あなたと同じになります。
両者の違いは?
ただ『決済通貨』が異なるだけ・・。
「米ドル」を持っているから、
アメリカの個別株とか
米国上場のETFを買おうという発想は、
保有する通貨をもとに『金融商品』を選んでしまうことであり、
【その金融商品が、あなたにふさわしいかどうか?】という視点が抜け落ちてしまっています。
〇 あなたにふさわしい「資産の配分」があって、
〇 そこから貴方にふさわしい「金融商品」を吟味して、
それを買うためには(決済通貨は)
『円建て』でよいのか、
それとも『外貨建て』にする必要があるのか、
その流れの違いがあるだけなのです。
くれぐれも、
保有する『通貨』を主人公にして
「金融商品」を選択してしまわないようにしましょう。
カテゴリ:インデックス投資全般