フローの人かストックの人かで「暴落」の際、見える景色は違ってきます
2021年11月28日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
今日はちゅり男さんの記事
『資産規模が大きくなってからの暴落は避けたい理由』
にインスパイアされて書きます。
『ひとつの出来事』が起こっても、
AさんとBさんではその「感じ方」が異なります。
もっと具体的に言うと、
「見える景色」がぜんぜん違うのです。
ここでは、
Bさん・・『ストックの人』
としましょう。
もしも来月、
資産市場が暴落するようなことがあったら、
Aさんにとっては「ビッグチャンス」到来!
Aさんはまだ「つみたて投資」をはじめてそんなに長くはなく、積み上がったリスク資産も数十万円~数百万円程度です。
仮に『暴落』が起こると
同じつみたて金額で
より多くの「量」(口数)を購入できます。
また暴落がどの程度長く続くかにもよりますが、
仮に「つみたて金額」をアップすることが出来れば、
暴落の最中、うんと安くなったファンドを、幾度も幾度も追加購入することができ、結果『平均購入単価』が大いに下がります。
もちろん暴落の最中は損益で見ると、
大いに「マイナス(損失)」になっているわけです。
たとえば
リスク資産300万円→ 35%マイナス → 195万円に!
ということで「105万円のマイナス」になります。
でもAさんの場合、
これから先積み上げられる「資産」のほうがうんと大きいわけです。
そう、
まだ積み上がった資産(ストック)が小さく、
Aさんは典型的な『フローの人』なのです。
いっぽう、
Bさんが見える景色はどんな模様になるでしょう?
Bさんは「つみたて投資」を始めてすでに19年が経って、毎月5万円のつみたてを今も続けていて、積み上がったリスク資産は3000万円を超えています。
もしも来月、資産市場が暴落したとすると、
月5万円のつみたてではより多くの「量」(口数)を購入できますが、
実はBさんは定年まであと9年ほどで、
―あと9年でどのくらい「つみたて金額」を積めるか。―
つまり(暴落が起こったとして、)
より多くの口数を購入できるメリットより、
また大きく下がった価格でファンドを購入できるメリットより、
すでに在る「リスク資産の目減り」ほうが、
インパクトが大きくなってしまうわけです。
仮にリスク資産3500万円→ 35%マイナス → 2275万円になると、
『1225万円のマイナス』になります。
そう、Bさんはすでに
『ストックの人』になっているわけです。
そもそもあなたは、
・Aさん「フローの人」ですか?
・それともBさん「ストックの人」ですか?
誰もが「つみたて投資人生」の道すじで
Aさん → Bさんというプロセスを経るわけですが、
もしあなたが(すでに)Bさんなら、
これから先積み上げる「資産」よりも
うんと大きくなっているわけですから、
資産運用のポリシーを(Aさんとは違って)
ある程度「保守化」する必要があると思います。
ひとつは、
〇 積み立てるリスク資産そのものの『保守化』。
たとえば株式100%で資産を積み上げてきた人は、
「債券も含んだバランスファンド」等に積み立て先を変える。
もうひとつは『資産全体』の中で、
〇 たとえば安全(預金):リスク資産 = 2:8だったのを、
安全(預金):リスク資産 = 3:7
安全(預金):リスク資産 = 4:6 になるようシフトさせるという処方箋です。
すべては?
株式市場自体が仮に「マイナス35%」の暴落を経験したとしても、
あなたの資産の毀損率をよりマイルドにするためなのです。
まだまだアクセルが踏めるのに
わざとアクセルを緩めてそれをキープすることはとても『高度な技』です。
しかし運用運用を長く続けるためには、
このような技を使いこなす必要があります・・。
当クリニックでは「個別カウンセリング(オンライン)」を通じて、
投資信託の乗り換え方法、
iDeCo、つみたてNISAへの資金の振り分け方について具体的にアドバイスさせていただきます。
~今年のお悩みは今年のうちに。~
カテゴリ:つみたて投資