インデックス投資全般

インデックスファンドの世界、ETFの世界

2021年11月1日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

『先進国株式インデックスファンド』は
たいへん知名度が高い投資信託です。

「外国株式インデックスファンド」と
云われたりもしますが、中身は同じですね。

どちらも、
『日本以外の』先進国22ヵ国(香港も含む)の株式に網羅的に投資を行います。

 

ところで、
「先進国株式イ・ファンド」って
どうしてこんなにポピュラーなのでしょう?
(確定拠出年金でも必ずラインナップされていますし。)

 

 

まずは「情報の整理」から・・。

多くの日本人にとって、
日本の株式
(ほかの国々の株式よりも)圧倒的に馴染み深いです。

情報量も豊富ですし。

優待目的をはじめ、
日本株を持つ投資家はそこそこ多いはずです。

 

「では、海外は・・・?」
と考えた場合に、

若干「思考停止」に陥ってしまったりするわけで。

 

 

 

なぜなら、
海外株式はふだん「あまり馴染みがないから」
「個々の、外国の会社のことなど分からないし、知らないから・・」

 

そういう場合、
もっとも効率的に
日本以外の先進諸国の株式を網羅できるのが
この「先進国株式インデックスファンド」なのです。

 

ところでETFは・・?

 

「ETFにも(日本以外の)先進国株式ETFってあるの?」

 

いや、
あまり聞きません・・。

 

 

(ちょっとお話は飛びますが、)ETFを望まれるケースで、

・グローバルに分散投資を行いたい
・自分で複数の商品を組み合わせ資産管理を行いたい

というお客様には、

基本、国内に上場しているETFはお勧め致しません。
(日本株式のETFを除いて)

 

なぜかというと、
米国に上場するETFに比べて、
国内上場のETFの「売買高」「純資産残高」いずれも見劣りしてしまうためです。

 

 

つまり、
(もしETFを用いるなら)⇒ 米国上場のモノを買う。

この『前提』で申し上げると、

 

 

日本人にもっとも馴染みがあるべき
(日本以外の)先進国株式ETFが、実質ないのです。

 

実質?

ハイ。まあ、あるには、あるのですが・・。

(実は)i シェアーズMSCI Kokusai ETF(TOK)がそうなのですが、

 

画像元:Yahoo finance US

 

こちらのETFは平均的な1日あたり出来高が5.1万口程度。

純資産残高は1億8500万ドル程度
(日本円で200億円位)しかなく、
いかにも心もとない数字です。

自信をもってお勧めできません。

 

米国に上場するETFを用いて、

・グローバルに分散投資を行い、
・自身で複数の商品を組み合わせたい場合、

 

実質的には、
〇 米国株式ETF
〇 米国以外の先進国株式ETF
〇 新興国株式ETF
という「組み合わせ」になってしまうわけです(株式部分については。)

 

つまり、ETFの世界で
資産配分を作る場合は、

〇 アメリカ人の『国・地域の分け方』に従う必要があるということ・・。

 

意外にも、
インデックスファンドの世界と、
ETFの世界で様相が異なるのはココなのです。

 

 

 

よく米国の投資アドバイザーが、

全米株式ETF        70%
米国以外の先進国株式ETF  20%
新興国株式ETF       10% のような、

資産配分の推奨をしていたりします。

 

しかし現在の、
全世界株式の『国・地域ごとの構成比率(時価総額ベース)』に習うなら、

全米株式ETF        58%
米国以外の先進国株式ETF  30%
新興国株式ETF       12% の資産配分がふさわしいでしょう。

 

 

えっ、「インデックスファンドの組み合わせで言うとどうなるか、」ですか?

おおよそ、

日本株式インデックスファンド   6%
先進国株式インデックスファンド 82%
新興国株式インデックスファンド 12% の資産配分となります。

 

上のETFも、下のインデックスファンドも、
全世界株式に投資を行う ⇒ その主旨と中身は「まったく同じ」ですね。

 

 

 

最後に、
その『全世界株式インデックス』ですが、

インデックスファンドの世界では、
FTSEグローバル・オールキャップ指数との連動を目指す
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」より、

 

MSCIオール・カントリー・ワールド指数との連動を目指す
「eMAXIS Slim 全世界株式」(オール・カントリー)のほうが純資産額が勝っていますが、

 

 

逆にETFの世界では、
MSCIオール・カントリー・ワールド指数との連動を目指す
「i シェアーズ MSCI ACWI ETF」より、

 

FTSEグローバル・オールキャップ指数との連動を目指す
「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」のほうが純資産額が大きいのです。

 

(なお、当クリニックでは基本的にETFよりもイ・ファンドをよりお勧めできる道具と捉えています。なぜなら、イ・ファンドのほうが、仕組みを用いて「自動化」しやすいためです。)

 

 

最後の「おまけ」。

 

ツイッターでご紹介いただいた、
倉敷・升家さんの『煮干しラーメン』を食べてきました。

 

地方に暮らして実感するのは、
「ラーメン」と「日本酒」って
各土地で『個性』をキープできているなということです。

(ごちそうさまでした。)

 

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