歯医者さんが歯を見るように・・を心掛けています(FP修行日記)
2021年10月4日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
歯医者さんは治療の前に
まずあなたの歯を見ます。
その全景を見渡したとき、
おおよそ「どこがどの程度悪い?」と把握されるはずです。
FP(ファイナンシャルプランナー)は
お客様のご資産状況(全体像)を拝見します。
わたしはまず
貯蓄と投資の『割合』を把握します。
そして「いちばん積み上がった資産」に注目します。
それがおそらくあなたにとって
「お付き合いがいちばん長い資産」であるためです。
たとえば、
保険商品が複数積み上がっているとしましょう。
(契約してから10年くらいは経っている)
いっぽう投資信託の積立は
始めてまだ数年程度という場合、
もしかすると未だ、
「保険商品」VS.「投資信託」でお迷いがあるかもしれません。
次に、
「預金」はどなたも持っている商品のひとつですが、
マイホーム購入後すぐであれば、
減ったあとの預金が『数字』として表れます。
あるいは年齢のわりに預金額が少ない場合、
住宅ローンの「繰り上げ返済」を何度か実施されているかもしれません。
次に、
リスク資産の中で意外に?多いのが
「日本の個別株」です。
銘柄を見れば
(JAL、東急、ビックカメラなど)
これは『優待』目的だと分かります。
また、昔ながらの重厚長大型の株式なら
「相続」された銘柄である可能性が高いです。
(あるいは、ひとつの銘柄のみが突出している場合は、
持ち株会で購入されている『自社株』の可能性が高いでしょう)
そして投資信託です。
投資信託は
長期で資産を増やすための道具ですから、
ほんらいは「流行り廃り」は関係ないのですが、
どうも商品の提供側が
「流行りのファンド」を作りたいようで、
これに『乗らない』意思が消費者には求められます。
インデックスファンドの持ち方も実に多様です。
たとえば、
〇 同じ投資対象のモノを複数保有する。
これは本当によくあります。
・スリム・全世界株式(オールカントリー)
・SBI全世界株式インデックスファンド
・楽天・全世界株式・インデックス・ファンド
をいずれも積み立てているケースなど。
あるいは、
〇 投資対象が大きく重なっている。
・スリム米国株式(S&P500)
・VTI(バンガード全米株式ETF)
・iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
・楽天・全米株式・インデックス・ファンド
・スリム・全世界株式(オールカントリー)
をすべて持っておられる例など。
インデックスファンドにおいて
『本数』が多くなってしまうのは
一つひとつの「投資対象」について、
換言すれば、ご理解が希薄な部分があるからかもしれません。
情報はたしかに入手されているのですが
その「情報」が相談者さまの中で【腹落ち】していないために、
A情報、C情報、E情報、F情報間の「濃淡」が生まれず、
本質の解釈がなされないまま、
とりあえず、Aも Cも Eも Fも入れておこう(買っておこう)という流れになっているのではと推察します。
この、具体例のような状態では、
・スリム米国株式(S&P500)
・VTI(バンガード全米株式ETF)
・iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
・楽天・全米株式・インデックス・ファンド
・スリム・全世界株式(オールカントリー)
マーケット状況が急変したような場合、
Aを売ってCを買い増ししたり、
Eのつみたて金額を増やしFのつみたて額を減らしたりという、
ファンド間の『スイング』に走ってしまう恐れがあります。
形、色がよく似たソファがリビングにいくつも並んでいる状態 なのです。
そもそも、
インデックスファンドという道具が
銘柄、国地域などの「超広範な分散」を旨としており、
「あなたに合うものをひとつ選んで!」の世界です。
ここにメドを付けることで、戦術部分の話にスムーズに移行できるのです。
たとえば、iDeCo、つみたてNISA、特定口座のつみたて比率や、
大きく貯蓄と投資の基本配分の決定や、
リタイアが近づいた際のポートフォリオの見直しのやり方などです。
また金融商品は
それぞれが単体で、ただ「数字」として存在するわけではありません。
そこには、
それを購入するに至ったあなたの「思い」があり「心の履歴」が存在します。
そこを解き明かすことが、
アドバイスの価値化のカギを握るとわたしは考えます。
最後に、同じ歯の形、歯列が
ひとつとしてないように、
同じご資産状況というものも存在しません・・。
カテゴリ:インデックス投資全般, わたしのFP修行