NISA活用法

もうすぐ2022年。⇒「一般NISA」から「つみたてNISA」に変更するチャンスです

2021年10月3日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

突然ですが、2017年から「一般NISA」を始めたあなた。
満5年の非課税期間の『満了』がもうすぐやって来ます。

この5年間はいかがでしたか?)

一般NISAを始める前は、

 

「非課税の『5年間』って
そこそこ長いだろう・・」と思っていませんでしたか?


でも、振り返ってみると、
『5年という月日』はあっという間です。


「一般NISA」は
投資信託で運用する「制度」としては期間が短すぎると思いませんか?

「でもカンさん。
2017~2021年の『当初の非課税期間5年』を延長して、
『ロールオーバー』すればいいじゃん!」


はい、ロールオーバーは出来ますよ。

 

画像元:ザイ・オンライン



上の図表をよーく見ましょう。

ロールオーバーとは単に
非課税期間を5年「延長」することではありません。

2017年スタートの「一般NISA」の場合、実際は、上のように2022年の「枠」を使わせてもらうことです。



仮にロールオーバーをしますと、
5年プラス5年で『計10年の非課税期間』が確保できます。

しかし、これから先
『ロールオーバー』を行い続ける前提であれば、
(かつ、年120万円の枠を目一杯使っていくとすれば、)

2022年も、2023年も、
「新規」でお金を入れることは出来なくなります。


つまり、一般NISAは究極的にいうと
以下の「二択」の制度なのです。

非課税期間は自ら5年と限定して
できるだけ「投資可能金額を増やす」。

ロールオーバー前提で非課税期間をできるだけ延ばす。
その代わり「投資可能金額は限られる」。
あなたはを目指しますか、それともですか・・?

 



理屈のうえでは、
2017年に「一般NISA」で入れたお金は、2021年の年末までに、

 

1.ロールオーバーするか
2.売却するか
3.課税口座(特定口座)に戻す


という3つの『チョイス』の中から、あなた自身が選択をする必要があります。


あなたがもし、
2018年、2019年も「一般NISA」にお金を入れていれば、

今年(2021年)を含め、
2022年も、そして2023年も、

1.ロールオーバーする
2.売却する
3.課税口座(特定口座)に戻す


という『チョイス』の中から、

毎年、あなたにとっての「正しい選択」を
繰り返していかないといけないわけです。

 

面倒くさくないですか・・?)


わたしは2014年に「一般NISA」が導入されて以来、
この制度(箱)は使いにくく、
長期投資家にメリットはないと申し上げてきました。 

 

と・こ・ろ・で、

〇 2024年以降、「一般NISA」は「新NISA」に名称を変えます。

 

結果、たとえば下図にあるように、2018年までに入れた資金については、『ロールオーバー』2回繰り返すことで、非課税期間を最長「15年」とすることも可能になります。

 

画像元:ザイ・オンライン

 

これは一見 ↑「素晴らしそうに」見えますが、

しかし『ロールオーバーを選択し続ける』ということは? 
基本『新規にお金を入れることを、あきらめ続ける』ということであります。

 

仮に「つみたてNISA」を選択すれば、
1年あたりの投資枠はうんと小さくなりますが、

毎年『新規にお金を入れられ、』
かつ非課税期間は『20年』という長期が約束されます。

 

おまけにロールオーバーの概念がないので、「来年はロールオーバー忘れずにしないと!」と考える必要もありません。

 

もう一度図表を見てみましょう。

 

画像元:ザイ・オンライン

 

「一般NISA」を続けて「新NISA」に移行したとしても、どのみち、2028年末から2032年末にかけて「毎年」、

1.売却するか
2.課税口座(特定口座)に戻すか

 

という『チョイス』を(あなた自身が)行わないといけないわけです。

 

面倒くさくないですか・・?)

 



 

画像元:ザイ・オンライン



わたしが思う
「一般NISA」にもっともフィットする投資手法とは?

・ロールオーバーせず
・毎年新規にお金を投入して
・それぞれ『5年間の非課税特典付き・投資ゲーム』と割り切って、

・(投資信託ではなく)『個別株』を対象に
・中期のトレードに徹する 投資スタイルです。
あなたはそういう投資を望む人ですか・・?

 

 

もしかするとあなたは、
年間で入れられる資金の多さ(120万円)に「一般NISA」の魅力を感じているのかもしれません。

この点「つみたてNISA」(40万円)と比較すると、
たしかに「一般NISA」のほうが輝いて見えますね。


〇 結局、投資資金が多く入れられるのを優先する。
それが → 一般NISA!

〇 結局、長期で運用が続けられるのを優先する。
それが → つみたてNISA! 
『ん? 果たしてそうでしょうか・・?』

 

現行の「一般NISA」では
ロールオーバーし続けることを前提にすると、
(かつ投資枠をフルで使うとすると、)

投資が出来る資金の枠は、120万円×5年分 のみです。

「つみたてNISA」は?
(実は2022年から使うとしても、)40万円×21年 で 840万円分 あります。

 

(閑話休題。)

さあ、このあたりから
ほうじ茶でも飲みながら、
あなたの資産運用の『全景』に視野を広げてみませんか?

 

 

あなたの資産運用は別に
「NISA制度」だけで完結するわけではないですよね? ← ココ、重要。

あなたの累計の投資資金が1000万円超になれば、
どのみちNISA以外の「箱」、

具体的には
iDeCoや課税口座(特定口座)も使って
資産形成を行うことになります。



だとしたら、NISAで使える『非課税枠』は、
利用できる『長さ』をより重視したほうが利口なのでは?

(NISAは、あなたの資産形成の「ひとつの窓口」に過ぎないのです。)





上図のように
つみたてNISAは圧倒的な『非課税期間の長さ』を誇ります!(ロールオーバーで悩むこともありません)

「一般NISA」に疲れたら、
「つみたてNISA」に移行して良いのです。


手続き上・・)

〇 SBI証券では「NISA口座の勘定変更」と云います。
〇 楽天証券では「NISA口座の区分変更」と云います。


今から「一般NISA」⇒「つみたてNISA」への移行手続きを行うことをわたしはお勧めします(2022年からの「つみたてNISA」スタートまだ間に合いますから!)

それは、あなたの投資の『時間リズム』を
より穏やかで長いものに変更するということなのです・・。

 

 

ところで、
仮に2022年から『つみたてNISA』に移行したとしても、

すでに「一般NISA」で投資している
非課税期間「5年」の権利は守られますよ。

(一例ですが、
2019年に「一般NISA」で買った投資信託を、
別に慌てて売る必要はまったくありません。)


もちろん、
来年(2022年)から『つみたてNISA』に移行するとすると、

2017年に「一般NISA」で買った投資信託は
ロールオーバー出来なくなります。

 

今年の年末までに「売る」か、
「特定口座に戻す」かの選択を(あなたが)しなければなりません。

 

 

ここで一点ご注意を。
別に「今年の年末までにゼッタイ売らないといけない!」と思い過ぎないことです。


ちょっと肩の力を抜いてみませんか?

 

これから先は「つみたてNISA」と付き合っていくと決めたわけです。

今後は『つみたてNISA』での投資資金が少しずつ積み上がり、
長い目で見れば、あなたの運用資産全体に占める
「一般NISAの割合」は、どんどん減っていくわけです。


であるなら、
無理をせず、
2017年に入れた「一般NISA」のお金は
今年中に課税口座(特定口座)に移行させて、
そのまま・ずっと持っておく・・・

この『考え』でもぜんぜん構わないとわたしは思います。
(非課税期間内に売らなきゃ!に捉われ過ぎないこと!)

 

 

今、売却して白黒付けようとせずに
時間の利益をたっぷり得るという意味合いで、
「一般NISA」で始めた運用を「特定口座」に移し(そのあとは)放ったらかしにしておく。

(リタイア後の生活で必要になったときに売ってもよいわけです。)


ただしくれぐれも「色気」を出し過ぎないこと!

たとえば2018年に「一般NISA」で買った投資信託について
2022年末(満5年)が近づくにつれ
すごく良い成績となり、

「もっと行けそうだ!」と思い込んでしまい、
「ロールオーバー」したくなって、

 

2023年から再度「一般NISA」に変更してしまうと
2023年は?

「つみたてNISA」には、お金が入れられなくなりますから・・。

 


昔から「二兎を追う者は・・」と言いますよね。

⇒「つみたてNISA」に移行したら、
そのまま「つみたてNISA」を貫いたほうが良さそうです。

 

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