つみたて投資

リタイアされた後の「つみたて投資」はお勧めしません!

2021年9月8日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

今のあなたなら、どちらを望みますか?

 

1.毎月50万円の追加収入(これがフロー)
2.1億円の預金(これがストック)

 

若い人なら1.を選んで、
毎月50万円のつみたて投資を続ければ、
たった10年で投資元本が6000万円になります。

逆に64歳のあなたなら、
人生の残り時間を睨んで
ポンと1億円もらったほうが有意義に使えるかもしれませんね。

フローとストックの関係は悩ましいものです。

 

うんと若いうちは
(そもそもお金がないですから、)

支出をコントロールし、
継続して「イン・フロー」を作り、

その「イン・フロー」をコツコツ重ねて
「ストック(まとまったお金)」を積み上げるしかありません。

スロバキアでもカザフスタンでも、
台湾でもチリでも日本でも、
みんな同じことをやっているわけです。

 

 

貯蓄を重ねる人は、
「今使うお金」と「将来使うお金」の区分け作業に長けている人です。

たとえばあなたが55歳くらいになって、
「フロー」(収入)が減ったとしても、

気持ち的にはそんなに慌てなくて済むのは、
手元にある程度の「ストック」があればこそ。。

 

そして65歳。

定年退職です。
仕事からの『定期収入』がなくなります。

公的年金という「フロー」を除き、

まとまったお金(ストック)から
一定額を取り崩していくことになります。

ここでも慌てる必要はありません。

 

〇『大きなストック』は「フロー」に転換できるためですね。

 

 

 

世界中でさまざまな人が
さまざまな方法で、
『ストック』を「フロー」に転換しながら、そのお金を費やしています。それが老後の生活なのです。

こう記せば、

 

働くことを卒業した68歳の人が、
年金の一部を用いて「つみたて投資」をする・・
あるいは『ストック』を取り崩しながら、取り崩したお金で「つみたて投資」をするというのは、「ちょっと滑稽だなぁ」とお分かりいただけるはずです。

 

なぜなら、
まだリスク資産を積み増そうとしているため。

 

相談者さまの中には

「カンさん。思いがけず長生きするかもしれないから、70歳になってもつみたて投資しておきたいです。」とおっしゃる人がいます。

 

でも、です。

ここよーく考えてみましょう。

 

Aさん) 仕事からの収入がある54歳
あなた)  リタイアした70歳 が、

同じストック量(リスク資産5000万円)を保有していて、
同じように「マイナス30%」になるような暴落に遭ったとして、

あなた(70歳)は果たして
Aさんと同じように『下落』に耐えられるでしょうか?

 

 

セカンドライフに入ってつみたて投資を続けるとは、
定期収入という「杖(つえ)」がないのに、
まだ資産の「山」を登ろうするようなもの。

危険と言わざるを得ません。

最近とみに感じることがあります。

人生はたしかに長くはなっているが、
つみたて投資ができる期間は「そんなに長くはない。」ということ。

 

一般に女性は男性より寿命が長いですが、

 

〇 40歳の女性が「つみたて投資」をはじめて65歳で定年。
つみたて投資期間 25年
〇 65歳から95歳まで30年間、
リスク資産を運用しながら取り崩し。
運用&取崩し期間 30年

 

といったことが十分起こり得ます。

 

人生100年時代では、

いかに効果的に
現役時代に
リスク資産の積み上げを完了できるかが重要なポイントになるとわたしは考えます。

多くの運用者が概ね55歳くらいまでに、
預貯金(ストックベース)から
『拡大つみたて』によって、まとまったつみたて金額の積み立てを実行することが求められます。

 

カテゴリ:つみたて投資

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