投資家の感情リスク

「一所懸命がんばる病」を克服しましょう!特に長期投資においては。

2021年9月3日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

わたしは知っています、
あなたがあなたのキャリア(お仕事)において、
不断の努力をされていることを・・。

とにかく仕事はタイヘンです。

どこに「落とし穴」があるか分かりません。
細心の注意が必要です。

ライバルもいます。
競争も激しいです。

 

今、順調に事が運んでいても、
次のステージに備えて準備や勉強も必要でしょう。

「何かに駆り立てられて一所懸命になる・・」
その心情はすごく分かります。

(逆説的にいえば、
一所懸命にやらないと
お仕事の成果はなかなか上がらないものなのですね。)

 

 

でも、です。

投資は、

一所懸命しないほうがいいかもです。

もう一度申し上げます。

 

投資は
一所懸命しないほうがいいです!

 

お仕事で一所懸命なあなたは、
投資でも一所懸命になりがちです。

そこが『落とし穴』なのです。

 

投資の超ビギナーだった頃、
思い切って買った投資信託の値段が気になって仕方がない時期がありました。

毎日ファンド価格をチェックしていたでしょう?

最初の半年~1年くらいは
誰でもそんな感じになります。

 

また、実際投資を始めるまでに
もうたくさんのYouTubeを観て、
本も読んで、著名ブロガーのブログ記事もチェックして、
さまざまな知識を携えて投資をスタートさせたはず。

しかし、
投資を始めて1年くらい経てば
特にインデックス投資の場合は、

・・することが・なくなります。

 

 

投資との『初恋』が冷める頃、
良い意味で
自然と
投資との「距離」が生まれ、
ファンドの値段も
1ヵ月に1度見るくらいに・・
そのうち3か月に1度チェックするだけに・・。

 

ここまで無事にたどり着ければ、
長期投資の『入り口』に立ったことになります。

 

ただし、一部投資ビギナーの間では
「一所懸命がんばる病」が発症してしまう恐れもあるのです。

??

この病気はだいたい投資を始めて
『半年~1年半くらい』の間でかかる可能性があります。

 

具体例!)

SBI証券でインデックスファンドで毎月積み立て。
イデコとつみたてNISAという窓口を優先して利用。

上記方針で投資をスタートさせたものの、
投資を始める前から熱心に勉強、情報収集はしていましたから、その情報収集を一所懸命する流れを変えずにいると、

 

どんどん「情報」は積み上げられ、
あなたの「知識量」は増えていきます。

すると、
投資を始めて『半年~1年半くらい』の中で、

 

「待てよ。
インデックスファンドの積み立てだけで(果たして)いいのだろうか?」という疑問が持ち上がってくるわけです。

 

これ、何事も真面目に
一所懸命しようとするあなたにありがちな「症状」です。

あなたは、仕事で頑張っているあなたを見習って、
投資においても「あらゆる可能性を試さないと!」と思ってしまいます。

 

一所懸命がんばらないと
お仕事の成果はなかなか上がらないと、
知っているあなただからこそ、
投資でも『一所懸命』になってしまうわけです。

 

 

【ココ要注意。】

冷や水を浴びせるようで恐縮ですが、
そもそも仕事と投資は、
その行為の「本質的な特徴」が異なります。

 

仕事(自力)→ 文字通りあなたが頑張る → その頑張りが結果に反映
投資(他力)→ 資産に頑張ってもらう → あなたがいくら頑張っても結果に反映されるとは限らない

 

伝わっていますか?

まったく違うタイプの行いなのです。

 

 

投資は所詮「他力本願」で、
(あなたではなく、)資産に頑張ってもらうしかありません。

株式や債券や不動産や、暗号資産、金(ゴールド)、NFTの価格の上げ下げは、あなたの腕力(努力)でどうにか出来るものではないのです。

 

ヘンな話、
あなたが半年くらい寝てばかりで超ズボラで怠け者であっても、株式市場が1年間で20%も上昇し、あなたが保有するインデックスファンドが「プラス20%の成績」になることもあります。

いっぽう一所懸命さまざまな資産について勉強して市場タイミングを計りながら、
インデックスファンドからETF、高配当株からイーサリアム(暗号資産)、FX、NFTへと、保有資産を広げていっても、無情にも「すべての資産がマイナスの成績」になることもあるのです。

 

 

以下わたしの経験則です。

 

〇 投資対象に一所懸命になって
執着している時ほど、
かえって運用成績が伴いません。
(無情にも価格が下がったりします・・)
〇 逆にその投資対象に執着せず、
「期待」も「執心」もなく、
そこに投じた金額さえも忘れるようなズボラ状態のほうが、
あとからフタを開けてみると、
「えっ、こんなに増えてる!」と驚くケースが多々あります。

 

 

これまでわたしは、さまざまな相談者さまの保有資産、運用成績を拝見してきましたが、

 

投資に捧げるエネルギーと時間に、
投資の成績は(残念ながら)比例しません。

 

なので投資は一所懸命がんばらない・・。

 

 

先ほど申し上げた、
投資開始から『半年~1年半くらい』経って、
投資に慣れてきて、

「待てよ。
インデックスファンドの積み立てだけで(果たして)ホントにいいのだろうか?」という疑問が浮かんできたときに、

「いいんじゃない?」と、

チャラく、
自分自身に
反応できるか?(あなたは出来ますか?)

もっと戦略的に云えば、
投資以外の仕事、家族、趣味のことで忙しくして、
投資に時間を割けないような環境を意識して作って、

「待てよ。
インデックスファンドの積み立てだけで(果たして)ホントにいいのか?」という疑問が浮かんだときに、

「いいんじゃない?
投資はズボラでいい加減くらいのほうが長続きするでしょ。」を、

自分に言い聞かせて欲しいのです。

 

投資においても最初のスタディ(勉強)、知識の積み上げはたいへん重要ですが、いったん投資をスタートさせれば、投資の情報から『距離』を置くことが長期投資の秘訣です。

ほんとうに真面目な人ほど、いい加減の「王道」を歩んで欲しいと思います。

 

カテゴリ:投資家の感情リスク

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