投資の発想法

あなたは消費者であり、生産者であり、投資者です

2021年8月31日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

あなたは生産者と消費者、ふたつの顔を持っています。

なにかしらの「商品・サービスの提供」に間接、直接に関わるあなたは、立派な「生産者」です。

ベアリングの製造も、
ゲームソフトの開発も、
清掃業も市立図書館での勤務も、
すべて商品・サービスの提供です。

専業主婦(主夫)の人も、
家庭内サービスを『生産』されていますよね。

 

 

いっぽう生産者に徹しすぎると、
「消費者」としての自身を忘れてしまったりします。

よくドラマの一場面でありますね。

 

商品開発の担当者が、
新商品の着想で行き詰っているときに、パートナーの、一消費者としての『何気ないひと言』がヒントになって「あぁ、そういうことだったのか!」と一挙に『答え』が見つかるとか・・。

 

商品・サービスの本質ニーズを知っているのは消費者です。

でもその「消費者」も
自身がお金を払う側に立つと、

一個のわがままな「欲」にひたすら従う者になって、生産者側の工夫や苦労をきれいさっぱり忘れてしまったりしますw

 

 

わたしが今やっているFP業もそうですが、
消費者が潜在的に欲しているものを「妄想」するくらいのマインドがないと、よい「生産者」にはなれません。

逆に消費者は、
ただ「費やす人」と思われがちですが、
生産者の意図をこれまた「妄想」してみることで、より賢い消費者になれたりします。

 

たとえば、

 

この生産者はどうして、
いったいどんな意図をもって
『変額年金保険』なるモノを企画し、販売しているのか・・?など。
(余談ですが、変額年金保険ほど、生産者側が自分たちの利益を積み増すことを優先して開発した商品もないと思います)

 

つまり、
よりよい消費者になるために、
生産者の気持ちを知る。

よりよい生産者になるために、
消費者の気持ちを知る。

 

ところで、もういっぽうの「投資者」です。

 

??

投資を行う者ですね。

この人は一見、生産者にも消費者にも関係なく見えます。

しかし生産者(仕事に従事する人)は、「投資者」のマインドも持つべきだと思います。
分かりやすい例が上場する会社に勤める人でしょう。

 

SBI証券で最大「30年」の株価チャートを見れば、
それがそのまま御社の対世間からの『評価』であることが分かります。

 

どうしてこのとき株価が大きく下がったのか、
近年株価が上昇している「理由」は何なのか?
大株主の構成とその比率はどうなっているか?
どうしてこのような配当政策になっているのか?

 

 

あなた自身が「投資家」であれば、
一歩引いた目線で冷徹に自分が勤務する株式会社を、見られるはずです。

それは、あなた自身が
「今の会社」に居続けるか否かの判断材料にもなるでしょう。
(もちろん他社の客観評価にも長けてくるはずです。)

 

また、商品・サービスの提供を行うあなたが
同時に「投資家」であることで、
需要のある商品・サービスを掘り当てる可能性が高まります。

 

投資家とは?
モノ・サービス、ヒトの動き回り方とその傾向を、大局的かつ『お金を儲ける目線』で見ることができる人です。

 

生産者かつ投資者でもあることで、

自分が作りたい商品・サービスではなく、
消費者が求める商品・サービス提供に努めるマインドを醸成することが出来るでしょう。

 

投資家を育てるとは、
マクロ経済的に言えば、
より賢い生産者、より賢い消費者を育てることにつながるのです。

これこそ投資家育成の意義だとわたしは思います。

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