確定拠出年金(iDeCo・企業型)

22年4月から、iDeCo(イデコ)の運用可能年数が長くなる? それってどういうこと?

2021年8月29日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

日本で確定拠出年金の制度が生まれて
ちょうど20年になります。

人間でいうと?
20歳(はたち)ですね。

したがってまだまだこの制度のポテンシャルは高く、
かつ、発展途上の段階にあります。

 

たとえばiDeCo(個人型確定拠出年金)の制度設計も、
これから何度も「改正」が為されることでしょう。

直近でいえば、
以下の大きな「改正」を控えています。

 

1.iDeCoの受取り開始年齢が75歳までに(来年4月から)
2.iDeCoの加入可能年齢が基本65歳までに(来年5月から)

 

どちらも大事ですね。

 

 

ひと言でいえば、
iDeCoにおける運用期間を
より長くすることが可能になるわけです。

(朗報です!)

まず1.ですが、
従前はiDeCoの受取り開始は
70歳になるまでにスタートさせる必要がありました。

 

たとえば、
楽天証券イデコを選んだケースです。

仮に「10年の年金受取り」を選択すれば、
受取り期間のイメージは
もっとも遅くて『69歳~78歳』のイメージでした。

それが、

受取り期間を
『74歳~83歳』に出来るわけです。

(これは良いこと!)

 

 

ここで制度の根っこ部分に帰ってみましょう。

 

iDeCo(イデコ)とは? 
年金という衣(ころも)を被った資産運用の箱です。

 

ということは、
あなたのお金がどれだけ増えるか『公式』

「投資元本」×「利回り」×「投資期間」が、iDeCoにも当てはまるということ。

 

iDeCoは制度上、投資の元本が限られており、そんなに巨額にはなりません。
また利回りも所詮「水もの」です。
したがって『投資期間』を長くできることはたいへん重要なファクターとなります。

50歳のあなたが思うよりも、
実際のiDeCoの運用可能期間は長い!ということですね。

 

ただし、

 

1.掛け金を拠出している期間は月171円のコスト要。
2.掛け金の拠出を終え、運用のみとなっても月66円のコスト要。
3.年金形式で受け取る際、受取時の手数料が1回あたり440円要。
(したがって年金受取りの場合、年1回の受取りをお勧めします。
なお一時金受取りを選択すれば440円オンリーで済みます。)

 

というコスト面の情報も
しっかり押さえておく必要があるでしょう。

 

 

次は2.です。

来年5月以降は
iDeCoで掛け金を拠出できる年数が最大5年伸び、
結果「投資元本」の積み増しが可能になります。

ただし『条件』があります。

会社員の方なら60歳以降も働いて、
「厚生年金保険料」を納めている必要があります。

また自営業者(第1号被保険者)や専業主婦(第3号被保険者)であれば、国民年金の「任意加入者」である必要があります。

 

ところで先日、この改正のお話をカウンセリング内でした際に、
あるお客様からこう言われました。

 

「カンさん。イデコは年金制度だから、
たとえば楽天証券のイデコ(10年年金)で
受取り期間を『74歳~83歳』にできるとしても、

 

受取り開始時までには、
投資信託を売って全額「定期預金」に変えておいたほうがいいんでしょう?」と。

 

あなたはどう思われますか?

 

iDeCo(イデコ)とは?
年金という衣(ころも)を被った資産運用の箱です。

資産運用の一形態ですから、
「他の形態ではどうするか?」をちょっと考えてみましょう。

 

あなたは特定口座で74歳まで
複数の投資信託で運用を続けていました。
もうそれなりに資産も増えたので、
74歳時点でエイヤーとすべてのファンドを売って「預金」に戻しますか?

 

そんな極端なことはしないでしょう・・。

 

 

売却をし始めるにしても、
『投資信託・定期売却サービス』などを用いて、
少しずつ・解約を・続けていくはずです。

 

この、少しずつ・解約を・続けていくのが、
iDeCo(イデコ)でいうところの『年金形式』なのです。
(わたしはすべて定期預金に変えてしまうのではなく、投資信託の保有を続けながら、年金の受取りをしたほうがよいと考えます。その際の注意点は? 毎回もらえる「年金額」は変動するということ。)

 

 

大きな『見取り図』に戻ってみましょう。

 

1.iDeCo リスク資産を持ちながら「年金形式」で受取り
2.企業型DC   〃
3.つみたてNISAは?
リスク資産を持ちながら、少しずつ解約を続ける
4.特定口座での運用は?
リスク資産を持ちながら、少しずつ解約を続ける

 

iDeCoにしろ特定口座内の投資信託にしろ、
「リスク資産を用いた運用」と位置付ければ、

 

資産運用は続けながら解約を続ける・・、

 

この『基本スタンス』は1~4、みな同じになるはずです。

 

上記1~4を『リスク資産』を用いた資産運用と定め、
そして別途、手元に『安全資産』を「何割持ちます」と定めて、

あなたは
「リスク資産」プラス「安全資産」で
『資産管理』を続ければよいのです。

 

最後に、
2.iDeCoの加入可能年齢が基本65歳までに(来年5月から)
に関連して、

仮にあなたが63歳になるまで
iDeCoで掛け金の拠出を続ければ、
iDeCoの受取り開始が可能になるのは「63歳以降」となるはずです。

※上記具体的に言及する情報源(ソース)がまだないため、わたくしの推測となります。

カテゴリ:確定拠出年金(iDeCo・企業型)

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