「正解」のファンドを選ばないと!と焦ってYouTubeを観すぎていませんか?
2021年8月2日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
ところで
昨日「YouTube」は何本観ましたか?
この1、2年でマネー情報の主戦場は
「ブログ」から「YouTube」に移った感があります。
が、映像であるYouTubeは一定時間内で
コンテンツ内容を鮮やかにするために、
どちらかいうと『結論』的情報になりがちな点があります。
○○は・・・で決まり。など。
特に投資に関しては
内容の受け止め方には注意が必要かもしれません。
投資は
不確定な未来において、
資産の価値の変動(プラスのほう)に賭けるゲームです。
未来はただ、過去の延長に過ぎないと割り切らない限り、
『結論』めいた言い回しはなかなか出来ないはず。
果たして未来は、
ただ「過去の延長」なのでしょうか?
私たちは昨年
新型コロナウイルスという突発的事象を経験し、
未来は、ただ過去の延長ではなく、
過去から独立した、不連続な事象であることを学びました。
わたしは別に
YouTubeコンテンツを批判したいわけではありません。
資産運用全般で捉えても、
本日、たった今現在ほど、
日本において運用リテラシーの情報が充実した時代はありません。
あなたが良質なYouTube20~30本を観て、
そしてある程度の情報処理能力があれば、
大きく『間違った方向』に行ってしまう可能性はきわめて低いでしょう。
「ココを外してはダメだよね!」という【集合知】は、
ネット上ですでに確立されています。
「長期」「分散」「低コスト」「つみたて」という原則です。
一般に『インデックス投資』と呼ばれる投資手法を実践すれば、
上記の原則は(しぜんに)実現してしまいます。
ただ、YouTubeをはじめとしたネット情報では、
どちらかいうとエッジの効いた、
「我云うことが正しい!」的な
尖った言い方をするケースがあるのですね。
もう『大原則の相違!』みたいに伝えがち。← ココ気を付けて。
いわくインデックスファンドのほうが良い!
いや(インデックスファンドより)ETFのほうが良い!
同じインデックスファンドでも、
・S&P500指数との連動を目指す
スリムS&P500(米国株式)とSBI・V・S&P500の違いを誇張したり、
・「S&P500」と
・「全米株式」と
・「全世界株式(日本含む)」を並列して、
「どれがベストなのか・・?」を
ことさら強調されると
ちょっと深呼吸しましょう。
結論からいうと、
どれを選んでもそんなに「大差」はありません。
また、
何が『正解』なのかは
前もって分かりようもありませんし、
(投資の実り → 未来の中 → 未来とは → 不確定な時間空間)
そもそも
・インデックスファンド
・ETF
・S&P500との連動を目指すファンド
・全米株式インデックスファンド
・全世界株式インデックスファンド とも、
市場平均を買っていく『インデックス投資』ですから。
大差はないわけですw
〇 金融商品の買い方を「つみたて」で実践すれば、
〇 あと「長期」で持ちつづけることを旨とすれば、
みんな、
長期、分散、低コスト、つみたての大原則の実践となります。
ここまで辿り着けば、
上記いずれを選んでも「ベターな状態」を得たと言ってよいわけです。
あなたの前に漂う、
膨大な(不確定な)時間空間を想像してみましょう。
今の時点で「何が」ベストか果たして『結論』付けられますか?
NO、ですよね。
お金の相談業を続けてきた中で実感することの「ひとつ」です。
つまりは、
・S&P500との連動を目指すファンド
・全米株式インデックスファンド
・全世界株式インデックスファンド
どれが「ベストであるか」と悩み苦しむより、
という
「自分本位」の視点を持たれるべきでしょう。
洋服でいうと分かりやすいかもしれません。
(この中で、)
【自分に似合う服はどれだろう?】という視点です。
「そんな感情(気持ち)優先でいいんですか?」
はい、いいんです。
そもそも、
理屈10割で
事前に
「これだ!」と結論付けができないのが投資の世界です。
インデックス投資に辿り着いているだけで、
「理屈8割」はクリアできていますから、あとはあなたの・気持ちです。
少しだけ、候補の対象を広げてもいいですか?
・ETF
・全米株式インデックスファンド
・全世界株式インデックスファンド
・株式37.5:債券37.5:REIT25を組み合わせたバランスファンド
・世界株15:世界債券85のバランスファンド
上記みな、
「市場の平均」を買っていく
インデックス投資の実践です。
長期も、分散も、低コストも、つみたても実現できます。
『大原則』の中にすべて当てはまるわけです(^^)
では『何が』違うのか?
ココよーく聞いてくださいね。
〇 分散の「度合い」と、
〇 価格変動の「波の大きさ」です。
【どの服が自分に合っているのだろう?】と同じ視点で、
どのくらいの「分散の度合い」
どのくらいの「価格変動の波の大きさ」が、
自分に合っているのだろう?と考えてみてください。
わたしは長年相談業務を続けてきて、
感じていることがあります。
多くのお客様が
『闇雲に大きなリターンを求めているわけではない。』ということ。
サイレントマジョリティーは
中庸、
リスクとリターンの『頃合い』が大切だと(無意識に)理解されているのです。
たとえば、
世界株50:世界債券50のバランスファンド
株式37.5:債券37.5:REIT25を組み合わせたバランスファンドは、
「これがベスト!」というチョイスではないですが、
長く続けやすい『ベターな選択』として
ポテンシャルが高い金融商品であると思います。
今の状況はYouTube的な情報に引っ張られて、
株式100%の投資信託でOKと、
無意識に「身の丈以上」のリスクを負っている人が多いように感じます。
それがちょっと怖いのです。
カテゴリ:インデックス投資全般