「増やす」マインドセットから ⇒「使う」マインドセットへの移行は、言うほど簡単ではありません その2)
2021年8月1日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
さて、昨日の続きです。
(突然、)あなたはイースター島に行って
「モアイ像」が見たくなりました。
日本からタヒチに飛び(10時間)、
さらにタヒチからイースター島に飛びます(6時間)
ただし、タヒチとイースター島間は
フライトが週に「2便」しかありません。
(旅程を組むには1週間~10日程度は必要でしょう)
そんなあなたが、
ようやくたどり着いたイースター島で
「モアイ像」も見ずに、タヒチに引き返したりしますか?
No way!
人生を通じた
『お金との付き合い工程』においては、
お金を増やすことは
イースター島に行くまでの「プロセス」に過ぎません。
個人の資産運用の『目的』は?
あなたらしくお金を使っていくことにあるはずです。
※当クリニックでは資産運用自体が目的化したお客様のお手伝いは致しません。
しかし、です。
お金を使うのは言うほど簡単なことではありません。
(特にお金を貯め、増やすことに注力してきた人にとっては!)
たとえば『マインドセット』とは、
あなたの中に無意識に組み込まれた「行動規範」を指しますが、
お金を使うモードに移行するには、
生活の『基本姿勢』を変える必要があります。
「きほんしせい」?
やっていなかったことを始める?
ハイ、そうです。
もっと厳密に言えば、
これまであなたが培ってきた
生活の姿勢を変え、考え方を変え、文字通り日々の「行動」を変え、今までとは違う自分に生まれ変わるくらいの「変容」を受け入れるということです。
新たな「アイデンティティ」を獲得するくらい、タイヘンなこと!
わたしは50代後半から、
このマインドセットの『移行』を始めるべきと考えます。
なぜなら数年から5年、下手をすると10年はかかるためです。
「じゃあ、具体的にどうすればいい?」
『行動』があなたの『中身』を変える。
これに尽きます。
たとえば、これまで外食するといったら
5000円くらいまでだったあなた。
一度1万5000円のレストランに行ってみませんか?
いや、行くのです、
『経験』を買いに。
最初は落ち着かないと思います。
「なんでこんなことにお金と時間を使うんだろう?」と感じることでしょう。
しかし2週間に1回、
1万5000円のレストランに通っていると、
いろいろなことを学べるはずです。新たな発見もあるでしょう。
それはそうでしょう。
でも、何度も何度もそれを試行することで、
少しずつ少しずつ、
それはあなたの『日常行動』に近づいていきます。
習慣が変わり、
習慣が変われば、あなた自身が変わります。
あっ、今はたまたま例として
「レストラン」を挙げただけですよ。
それは『東ヨーロッパへの旅行』かもしれません。
念のために申し上げますと、「カンさん。ぼくは65歳以降は年400万円の予算があり、まあそれなりに使っていくよ・・」という類のお話ではありません。
「まあ、それなりに使っていくよ。」というノリではお金は使えないのです。「数字」ではなく「中身」が大切!
もっとも多くのお金を使いたいのか?
それを決めるのは
資産運用のポリシー決定より、実は骨が折れる作業かもしれません。
お金の使い方には「これ!」という唯一無二の『正解』がないためです。
たとえば4800万円のお金を前にして、
さて、何に、多くのお金を使うのか?と黙考するあなたは、
『どんなワタシに変わることが出来るのか?』を、
(もしかすると)お金のほうに
試されているかもしれないわけです・・。
(あるいは使わないのか?)は、
どうでしょう、
個人のお金のプランニングって
意外と『知的でエキサイティングな作業』であると思いませんか?
お金との付き合いの工程が完結するわけです・・。
が、使うベクトル部分は、残念ながら投資の本には載っていませんw
だから面白いわけです!
お金を使う = 消費する は当てはまりません。
あなたはデザイナー。
最後に、具体的なアドバイスです。
ご所有のリスク資産を一度、売ってみましょう。
できれば10万円以上100万円以下くらいのボリュームで。
お金を使うことに慣れていく前段階として、
金融商品を売却することに慣れておく必要があるためです。
これこそ、お金を使うベクトルに移行する「起点」となるのです。
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カテゴリ:お金の摩訶不思議