確定拠出年金(iDeCo・企業型)

22年10月から「企業型DC」の加入者が「イデコ」にも加入できるようになると、つみたてNISAとの絡みもあって、ポートフォリオの組み方を根本的に変える必要が出てくるかもしれません その2)

2021年7月26日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

昨日の記事の続きです。

きのうはiDeCo(イデコ)のメリットとして
『転職の影響を受けない』旨申し上げました。

もしあなたの会社に既存の年金制度等がない場合、
2022年10月以降、
あなたが「企業型DC」プラス「iDeCo」を希望されると、

ふたつの確定拠出年金を合わせた
掛け金の『限度額』は、
月55,000円(Bのケース)となります。

 

あなたの会社に「確定給付型年金」もある場合・・
27,500円/月
あなたの会社に既存の年金制度がない場合・・
55,000円/月

 

鈴木さん(仮名)を具体例に挙げてみましょう。

 

「Bのケース」である鈴木さんは
企業型DCの掛け金が10,000円ですが、

ではiDeCoのほうに残りの金額、
55,000円-10,000円 = 45,000円を
拠出できるかというと、そうはいきません。

 

★ そもそも鈴木さんの場合(Bのケース)では、
iDeCoの拠出限度額は 20,000円/月と定められているためです。
(これが上限です)

 

もしも、鈴木さんの企業型DCの現行掛け金が38,000円なら、
iDeCoに拠出できるのは17,000円/月となります。

 

 

兎にも角にも
来年の10月から企業型DC加入者も
もれなくiDeCoに加入できるようになると

 

ようやく「iDeCoの自由化」が完成することになります。

 

つまり、基本20歳以上の人が全員
iDeCoへの加入資格を得る、という意味です。

 

さて、話の本題はココからです。

来年10月以降、企業型DCに入っている人で
「iDeCoにも加入しよう!」という人が増えることが予想されます。

・・そんなあなたは?

実は(すでに)
『つみたてNISA』を行っていたりしませんか?

さらに以前から、
通常の課税口座(特定口座)でつみたて投資を続けている人もいるかもしれません。

となると、

 

一人のつみたて投資家が、
〇 企業型DC
〇 iDeCo
〇 つみたてNISA
〇 特定口座
というふうに、
4つの「窓口」を管理しながら資産運用を行うことが珍しくなくなるわけです。

 

 

ココで注意!

ゆめゆめ4つの「窓口」で
ひとつの資産配分(ポートフォリオ)を作ろうとしないこと!

なぜなら、
4つの「窓口」は毎月の掛け金が異なります。

そもそもあなたが月ベースでつみたて投資に回せる掛け金も、長い目でみて変化していきますね。

 

あるいは今後の『法改正』で
特定口座を除く、
どの「窓口」がもっとも有利になるのかも不確定です。

 

―たとえばつみたてNISAの非課税期間が
20年→無期限になる可能性もゼロではありません。―

 

このような状況下で
4つの「窓口」それぞれで「別の投資信託」を選び、
ひとつの資産配分とし、かつ「リ・バランス」も定期的に行っていくのは、かなり難易度の高いワザです。

 

(そもそも)個人の投資家にとってもっとも重要なことは?

 

窓口が3つ、4つに分かれても、
自分が今、どの程度のリスクを負っているか、

つまりは
自分が保有する「資産配分のカタチ」をいつでも把握できること。
ではないでしょうか?

そして簡便なメンテナンスを心がけ、
投資になるだけ時間を割かないこと。ではないでしょうか?

 

 

2022年10月以降の「トータル資産管理」を踏まえると、

複数の「窓口」でひとつの資産配分を作るのではなく、
複数の「窓口」で
それぞれ同じカタチの資産配分を作ってしまう。ここが肝心。

 

具体例として、
リスクテイクを厭わない人は、
〇4つの窓口ですべて同じカタチの「株式ファンド」を持つ。
あるいは4つの窓口ですべて
〇同じ資産配分の型(かた)を持つ「バランスファンド」で揃える。

 

このような『発想転換』が求められます。

 

上記メソッドであれば、
途中、あなたのつみたて金額が上下しようが、
ひとつの窓口から先行して解約を始めようが、
いつでも同じ「資産配分のカタチ」を維持できますね。

そして何より資産管理がシンプルになります。

今後カウンセリングの現場でも努めて、上記ノウハウをお伝えしていこうと思っています。

カテゴリ:確定拠出年金(iDeCo・企業型)

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