22年10月から「企業型DC」の加入者が「イデコ」にも加入できるようになると、つみたてNISAとの絡みもあって、ポートフォリオの組み方を根本的に変える必要が出てくるかもしれません その1)
2021年7月25日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
あなたは今、
企業型の確定拠出年金(企業型DC)に加入していますか?
でも毎月の拠出額は6000円とか8000円くらい?
これだと「自分の資産形成には関係ないなぁ。」と感じてしまいますね。
しかし、来年(2022年)10月からは
様相が変わってくるかもしれません。
〇 企業型DCに加入する人も
もれなくiDeCo(イデコ)にも加入できるようになります。
※ただし企業型DCにマッチング拠出制度があり、マッチング拠出を選択する場合には当てはまりません。
企業型DCは
所属する会社が勝手に始めた制度です。
いっぽうiDeCoはあなたが選んで入る制度です。
実は企業型DCも、iDeCoも
同じ「確定拠出年金制度」であり、
根底ではつながっているのです。
来年の10月からあなたがiDeCo(イデコ)にも加入すれば、
自分で窓口の『金融機関』を選び、
自分で『投資信託』をチョイスする必要があります。
(投資の「窓口」がひとつ増えるわけです)
「ちょっと面倒だなぁ」と思われるかもしれませんが、
もちろん『メリット』もあります。
企業型DCは基本会社が掛け金を拠出するため、その掛け金で所得控除は出来ません。
いっぽうiDeCoは自分の手取り収入から掛け金を出すため、所得税、住民税の軽減が期待できます。
(デメリットとしてiDeCoでは月171円の口座維持料が必ずかかります)
企業型DCの窓口(運営管理機関)は、あなたの会社との関係性で決まっています。
「商品ラインナップ」も機関側に言われるがままで、かつ一度決まってしまえば、DC加入者のために商品をアップデートするという視点に欠けています。
→ 結果、しょぼい投資信託で溢れるという例が散見されます。
一方のiDeCoはSBI証券、マネックス証券、松井証券などを窓口機関に選べば、「eMAXIS Slimシリーズ」など、超低コストの多彩なインデックスファンド群から選ぶことができます。
長いキャリアパスの中で、何度か転職の可能性はありませんか?
もしYESなら、iDeCoに加入しておくメリットは大です。
仮にA会社を辞めると、
A会社の企業型DCからは離れることになります。
この場合、企業型DCで運用してきた資産をいったん「現金化」する必要があります。
文字通り、長期運用の箱(iDeCo)を獲得できるわけです。
さて、来年10月以降を具体的に想定してみましょう。
企業型DC、iDeCo共に使えるようになっても、
あくまでメインのキャラクターは「企業型DC」です。
どういうことかというと、
来年10月以降、ふたつの窓口を利用したとしても
実は企業型DCの掛金の『法定上限額』までとなります。
「??」
企業型DCにおける『法定上限額』とは?
(2パターンあります)
27,500円/月
55,000円/月
となります。
たとえば斎藤さん(仮名)は
『Aのケース』に該当します。
(会社に確定給付型の年金もある)
今、企業型DCの掛け金が6,000円なのですが、
では、
iDeCoのほうに差額(27,500円-6,000円)の
21,500円を拠出できるかというと、実はそうではなく、
iDeCoの拠出限度額は
12,000円/月と定められているのです。
(残念!)
仮に『Aのケース』で、
企業型DCの現行の掛け金が20,500円なら、
iDeCoに拠出できるのは7,000円/月となります。
『Bのケース』については次回に・・。
カテゴリ:確定拠出年金(iDeCo・企業型)