健全なアクティブ投資があってはじめて、インデックス投資が成り立ちます(ベクトルはいつも左から右)
2021年6月19日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
蒸し暑いときこそ、
しっかり体を温め、汗を掻いたほうがよいそうです。
(たとえば)今日の晩ご飯は
豚汁にしませんか?
たいていの人は、豚汁の具材や
調理のしかたに注目します。
しかし、あなたはひたすら
煮込んでいる具材全体を見渡し、
灰汁(あく)を見つめています。
指数(インデックス)とは、灰汁(あく)のようなものです。
指数は
その日一日の、
株式市場全体の『温度感』を、冷酷に算出する機械と云えます。
株式市場における主役は?
そこに上場するたくさんの企業たちですね。
命を賭けて従業員と株主の利益を守り、
生き残るために優れた材、サービスの提供に励んでいる・・
そして、その企業価値を推し量って
健全な欲の塊である様々な投資家(個人・法人・アクティブファンド)が、
毎日毎日、その会社そのものの『価値』を値踏みし、
悩み抜いて売り買いし、その結果、株価が変動するわけです。
ひとつの会社の「株価」算出は、
市場参加者による、その日時点での『総意』であり、
明日になれば、またその数値は変わります。
毎日毎日ひしめきあう、数多の具材たち。
彼ら・彼女らこそが市場の主人公。
ダイナミズムを形成するのは、
それを鷹の眼で射ようとする(=少しでも利益を上げようとする)アクティブ投資家たちの行動の集積なのです。
そもそも、
インデックス投資とアクティブ投資は「対立事項」ではありません。
インデックス投資は成り立ちます。
誤解を恐れずに言うと、
インデックス投資は
広義でいうところのアクティブ投資の
『一現象』と云ってもよいのです。
ベクトルは、いつも左から右です。
私たちインデックス投資家は、
今日も市場に立ち向かい、
果敢に個々の企業の価値を値踏みし、
思い悩みながら、数多の売買を実行してくれる、
個人・法人・アクティブファンドなどのアクティブ投資家に、
「ありがとうございます。」と礼を言うべきではないでしょうか。
万が一、市場の中で
インデックス投資家が多数派になれば、
マーケットの健全な価値生成機能は、損なわれてしまうことでしょう。
わたしが今もっとも気にしているのはこのことなのです。。
カテゴリ:インデックス投資全般