バンガード社のETFは、インデックスファンドの「ひとつの部屋」なのです
2021年6月11日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
日本の公募投資信託(6000本超)の純資産額をすべて足すと、およそ162兆円になります(3月末時点。投信協会調べ)
いっぽう、バンガード社の
「バンガード・トータルストックマーケットETF」(VTI)の純資産額はおよそ1.2兆ドル(4月30日現在)
1ドル110円で換算すると約132兆円です。
いかに巨大な金融商品であるかが分かります。
上記VTIと呼ばれるETFが
(実は)バンガード社にとって最初のETFでした。
(運用開始は2001年5月のこと)
バンガードはステートストリート、i シェアーズと比べ、
ETFへの参入は『後発』だったのです。
その後発の運用会社がいかに
低コスト、そして効率的なETFの組成・運用を成し遂げたか・・
ちょと興味が湧きませんか?
少し古いコンテンツ(2012年)ですが、
楽天証券にたいへん興味深い記事があります。
この記事をお読みいただくと、
既存のインデックスファンド資産の減少を防ぎ、
更なるファンド資産の増加のために、
バンガード社が「ETFクラス」を新たに作った経緯が記されています。
ハイ、そうです。
ETFは『ファンド』である、という点。
ETF = Exchange Traded Fund ですから。
楽天証券の上記記事より引用してみましょう。
既存のインデックスファンドの
1つのシェアクラスとして運用するという
バンガード独自のETFの運用構造を開発したのです。
フム・・。
ここから、ETFとは
インデックスファンドを上場させたものであり、
その中身は『インデックスファンド』そのものである。
ということが分かります。
だからこそETFは、
インデックスファンドという家族の「一員」になれたわけです。
以下、図表が分かりやすいですね(2012年現在)
画像元:楽天証券『バンガード成長の軌跡とバンガードETF』
むかし「ひとつ屋根の下」というドラマがありましたが、
バンガード社の場合、
「トータル・ストック・マーケット・インデックスファンド」(青い帯の部分)こそが、大きな屋根を持った大元のファンドなのです。
(1992年、運用開始。)
ETFという部屋(クラス)を作ったため、
したがって最初から低コスト、運用効率にも長け、
また償還リスクも低くなるというメリットが得られたのです。
すべては「シェアクラス」という発想のおかげでした。
換言すれば、
バンガード社が運用する「すべてのETF」には必ず、
その屋根の部分に当たる
「大元のインデックスファンド」が存在します。
最後に(実は)
MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信(銘柄コード2559)というETFも、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と同じ屋根の下に居る金融商品なのですよ。
カテゴリ:インデックス投資全般