資産運用は「前期」と「後期」に分かれます
2021年5月15日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
人はいつか「働かなくなる時」が来ます。
作家の橘玲さんは、
「老後は誰もがひとりの投資家として、自身の資産を取り崩していくことになる。」
と言われています。
これを、資産運用の『後期』としましょう。
運用の『後期』では
新たな資金の投入はありませんが、
運用そのものは続けながら、資金の取り崩しを行うわけです。
では『前期』は?
これはもうシンプルに
投資への入金を繰り返し、
リスク資産を積み上げていく時期です。
投信ブロガーのNightWalkerさんは
『投資による資産形成を始めるべきもうひとつの理由』という記事の中で、
普通の人が、投資による資産形成を始めるべき重要な理由として、
リタイア後の資産運用術を修得するため。
と記されています。
まさに、そう。
リタイア後は
誰もがひとりの投資家として運用管理をしなければならないわけですから、
その練習として、
運用の『前期』を
できるだけ早くスタートさせ、
その期間をできるだけ長くしておくほうが、
『後期』もうまく行きやすい。ということなのです。
資産運用とは「前期」と「後期」に分かれるわけです。
(ちなみにNightWalkerさんは
「前期」のことを『資産形成期』、
「後期」のことを『資産活用期』とおっしゃっています)
さて、ここからは
今年30歳になるあなたへのメッセージです。
あなたの寿命は
わたしの寿命より長くなる可能性が断然高いです。
より遅く生まれたことで、
医療技術をはじめとした
テクノロジー進歩の恩恵を
より受けることが出来るためですね。
早いうちから
ほんの少額でもいいですから、
『運用という行い』を経験しておくことの意義は
(わたしが30歳だった頃より)ずっと大きいと思います。
なぜなら、
あなたが経験される『後期』(資産活用期)は
わたしなどよりもうんと長いためです。
『後期』(資産活用期)に向けての大いなる「練習場」です。
『前期』は『後期』にはない「メリット」を有しています。
それはあなたに『定期的な収入』があるということ・・。
日々さまざまなお客様と接していますが、
「定期収入」がある中で行う運用では、
感じ方がまるで違ってくると実感します。
また『前期』は自身に定期収入があるため、
運用の軌道修正ややり直しが効きやすいです。
しかし、
『後期』はこれまで積み上げた資産を頼りに
ピュアな投資家として管理の海を渡っていくわけで、
投資スタイルは「がっちり」固まっている必要があります。
充実した『後期』のために
できるだけ長い『前期』を持つことは、
とても理に適った考え方なのです・・。
カテゴリ:100年ライフプラン