専業主婦(主夫)とiDeCoの関係について
2021年4月27日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
複数のお客様から、しばしば同じ質問をいただきます。
iDeCoの最大のメリットは、
毎月の掛金を『所得控除』できることです。
専業主婦(主夫)の場合、
残念ながらこのメリットが生かせません・・。
一方、
iDeCoで留意するべきことは?
口座を維持するのに『継続コスト』がかかること。
年1260円
2.運用資産の管理委託先である信託銀行に支払う手数料
年792円
上記は、どの金融機関を選ぼうと、必ずかかってきます。
仮に所得控除のメリットがなく
iDeCOに毎月2万円
年24万円拠出するとすると、
年2052円の手数料の、
掛け金(24万円)に対するコスト比率は『0.85%』となります。
この数字、
インデックスファンドの商品選びで
年間の継続コスト(数字)を追っている人には
「そこそこ大きな数字」と実感していただけるのでは・・。
まして、です。
以下一例として『京葉銀行』を挙げますが、
このような金融機関で
iDeCo口座を開いてしまうと、
画像元:iDeCoナビ
月ベースで482円と
信じられない「継続コスト」を徴収されてしまいます。
(年間で5784円)
年間のiDeCo掛け金が24万円とすると、
コスト比率はなんと「2.41%」に・・。
こういった観点から申し上げると、
iDeCoより、つみたてNISAの口座開設を優先させるべきでしょう。
次に、別の視点から掘り下げてみます。
竹川美奈子さんが
『一番やさしい! 一番くわしい!
個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』の中で、
専業主婦(主夫)の方のiDeCo活用について、
「自分名義の退職金」ができる意義はあります。
という言い方をされていました。
それはまさにその通りだと思います。
確定拠出の『年金制度』ですから、
文字通り、国民年金、厚生年金の上に
独自の年金を上乗せすることになるわけです。
『年金制度』ですから、
60歳までは引き出しが出来ません。
いろいろと堅苦しい規則もあります。
(書類もいっぱい必要です)
長い時間軸で最初から
「(制度として)きっちり拘束されたほうが、運用が長く続けられそう・・」と感じる人には、もしかすると向いているかもしれません。
仮に60歳以降、75歳になるまでに
iDeCoを『一時金』の形で受給すれば、
(企業に勤めておらず企業からの退職金等もなければ)現行の税制では退職所得控除を大いに活用できます。
逆に、です。
長い時間軸は持ちたいけれど、
〇 どの程度「解約」するかについては、
自分で『主導権』を確保しておきたいという人には、
(やはり)つみたてNISAのほうが相応しいでしょう。
(受け取り時には利益に対して非課税になりますし。)
あともう一点。
あなた自身が
「果たしてずっと専業主婦(主夫)のままだろうか?」と自問自答してみることも大切です。
これからの人生ステージで、
家族の状況の変化等があり「復職」する可能性があるなら、
無理のない掛け金設定で
今からiDeCoに加入しておき、
『つみたて投資』に慣れておくのは悪いことではありません。
要はiDeCoであろうとつみたてNISAであろうと、
その本質は、投資信託を用いたつみたて投資なのです。
(したがって「つみたて投資」についてしっかり学ぶ&実践することが、もっとも重要であることは言うまでもありません。)
最後に、
配偶者がもしiDeCoをまだやっていなければ、
家族単位で見た場合、
あなたが出来る立派なお仕事のひとつでしょう。
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カテゴリ:確定拠出年金(iDeCo・企業型)