MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)は、世界の株式市場の『勢力図』に沿った投資の中身のこと
2021年4月15日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
恐縮です、
以下、ちょっと長い単語になります。
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス!
略して「MSCI ACWI」ですw
当該指数(インデックス)は文字通り、
先進国、新興国の株式を網羅する
『全世界株式』に投資を行う際の物差しとなります。
当指数との連動を目指す金融商品は、
以前はi シェアーズ MSCI ACWI ETF(ACWI)があるのみでした。
しかし今では、
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』があります。
当該ファンドこそ、
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスの「知名度」を押し上げた張本人ではないでしょうか?
先進国 ⇒ 23ヵ国(日本を含む)
新興国 ⇒ 27ヵ国
計50ヵ国です。
画像元:MSCI
広く世界の株式を網羅するこの指数に、
安心感を覚える人もいれば、
ちょっと『つまらないなぁ・・』と感じる人もいるかもしれません。
何を隠そう、
30代の頃のわたしがそうでした。
まだまだやまっけがあって、
「国別株式ETF」などにご執心だったわたしも(かつては)居たわけですw
一例ですが、
あなたはイスラエルETFってご存じですか?
イスラエルの会社は国際競争力が高く、
たとえばナスダック市場には、
イスラエル企業が90社以上上場しています。
主にIT関係、
特にソフトウェア、セキュリティ関連で次々と新しい技術、サービスを生み出しています。
イスラエルはたしかにすごい国ですが、
『インデックス投資』の大切な考え方のひとつに、
そして、
〇『差』を付けて投資する
というものがあります。
『差』を付けて?
はい、「差異」です。
たとえば、
イスラエルが凄い国だと分かっていても、
イスラエルには(たとえば)0.3%くらいしか投資しない。
でも、イスラエルにも、投資する。
そういう『感覚』です。
インデックス投資は
世界地図で確認できる、
ひとつひとつの国の上に、
『同じ大きさのピン』を打つわけではありません。
より大きく投資をし、
〇 株式市場の規模の小さな国には、
より小さく投資を行います。
結果、各国の『株式市場の大きさ』に比例した投資の配分となるわけです。
これを、
【時価総額加重平均】
(じかそうがく・かじゅうへいきん)と云います。
『時価総額加重平均』的な株式の組み入れを行っています。
上記指数との連動を目指す、
たとえば『イーマクシス スリム 全世界株式』に投資を行えば、
世界の株式市場の【勢力図】に沿うような投資の中身となるわけです。
こんな感じ・・。
2019年末時点
画像元:Skloff
広く・浅く、隈なく投資をし、
かつ(国ごとの組み入れ比率にも)(銘柄ごとの組み入れ比率にも)
『差を付けるよ!』という考え方なのです・・。
誤解がないように申し上げると、
インデックス(指数)は別に
各国の「組み入れ比率」を、
杭を打って境界を定めるように【固定】しているわけではありません。
(もちろん、先進国と新興国の比率も。)
2019年末時点
画像元:Skloff
上記図表の「数字」は常に【変動】します。
「??」
仮に、
先進国の株式市場が伸びず、
新興国(Emerging markets)の株式市場が総じて上昇を続ければ、
MSCI ACWI内の先進国と新興国の比率は、【自然に】変わります・・。
仮に、
50ヵ国の株式市場の中で、
イスラエル市場の伸びが向こう10年突出して大きければ、
MSCI ACWI内での
イスラエルの比率も、
たとえば0.3% → 1.6%というふうに、自然に上昇するわけです。
市場の変化をそのまま反映する『鏡』なのです。
『インデックス(指数)』の提供会社は、
一定のルールに従って、
〇 組み入れ国
〇 組み入れ企業 を定めています。
また定期的に「銘柄(企業)」の入れ替えを実施し、
また「国」そのものの入れ替えも行っています。
だから『新陳代謝』が保たれるわけです。
(実はイスラエルという国も2010年、MSCI ACWIの中で、新興国から先進国に鞍替えされています。)
2019年末時点
画像元:Skloff
最後に、あなたが現在 ↑ 見ている、
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスの「配分比率」と、
あなたの娘さんが19年間つみたて投資を続けた結果、
2040年に見られる
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスの「配分比率」は、
決して同じではないでしょう。
それだけは、今分かりますw
カテゴリ:指数のお話