わたしが『持ち株会』をお勧めしない理由
2021年4月14日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
わたしは転職した経験があります。
「転職」とは、
わたしという資産の再評価を試みる行為です。
うまく行くかどうかは分かりませんが、
転職という機会は、
あなたという資産の
意外な特徴、伸びしろを教えてくれるものなのです。
一般に、
収益を持続的に生んでくれるあなたという資産を『人的資産』と呼びます。
所属する会社でもらい続ける給与の『現在価値』のこと。
あなたもわたしも、若いときは『人的資産』が大きく、『金融資産』はほんのわずかなもの。
こんなイメージ・・。
ただ、年を取るにしたがって『人的資産』は段々と小さくなります。
そして(ちょっと衝撃的なのですが、)
定年退職をもって『人的資産』はゼロになるのです。
FP的に見れば、
『金融資産』を用いて資産運用を行う意味は明白です。
それは・・
年々衰える『人的資産』を補完するため!なのです。
あなたはこのふたつを用いて、
荒波強風な世の中を渡っていきます。
人的資産、金融資産にはそれぞれ「特徴」があって、
まず『人的資産』は細かい分散ができません。
それはあなた自身ですから!
いっぽう『金融資産』は細かい分散を、
やろうと思えばいくらでも出来ます。
全世界株式インデックスとか・・。
ただし、ひとつの会社の株を
500万円も600万円も持つ人もいますが。
『金融資産』は(もし望むなら)総入れ替えも可能です。
たとえば、
5000万円の不動産
→5000万円の新興国株式インデックスファンドみたいに。
いっぽう『人的資産』はあなた自身ですから、
誰かと入れ替えなどは不可能です。
『人的資産』から生じたフローをコツコツ貯蓄して、
『金融資産』を積み上げようと努めますね。
あるいは
キャリアの途上で
『金融資産』を用いて『人的資産』に投資を行い、収入アップを目論む人もいます。
ただ、会社員である限り、
その会社の『盛衰』と、
あなたという『人的資産』のアップダウンは、ある程度リンクせざるを得ないでしょう。
会社の利益が伸びる → あなたの給与が伸びる
会社の利益が減る → あなたの給与が減る
そう、『人的資産』のアップダウンと
あなたが勤める会社の『株価』の変動の仕方には、ある程度「相関性」があるわけです。
【人的資産】+【金融資産】= 総資産 と捉えれば、
ほんらいこの二つの資産は、
できるだけ関係がないほうが、できるだけ離れているほうが『リスク分散』が図れるわけです。
しかし、『持ち株会』に入って、
自分が勤める会社の『株式のみ』をせっせと積み上げていくと、
ほんらい金融資産である『自社株式』のアップダウンがリンクすることになります。
あなたは『持ち株会』の積み立てを止めたからといって、
仕事に対するやる気がなくなったりはしないはず。
(ですよね?)
『持ち株会』の毎月1万円、2万円のつみたては、
国際分散投資のほうに回したほうがいいですよ。
そうすれば、
『人的資産』と『金融資産』は、北極と南極くらいに離れていきます!
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カテゴリ:投資の発想法