再現性のある投資って何だろう?
2021年4月7日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
作家の橘玲さんが次のように言われています。
けだし名言。
まさにそうですね。
この世界を、
この色合いで、そしてこの匂いで認知しているのは
他ならぬ「あなた自身」です。
投資の情報を見ていても
(特に『書籍』で顕著なのですが、)
自分(作者)を主人公にした『体験的コンテンツ』が多いように思います。
いわく、
△△に気づき、
そして□□という方法でなんと1億円の資産を築いた!など。
この場合の投資対象は実にさまざまで、
個別株の人もいれば、
不動産投資の人、
あるいは金(ゴールド)、プラチナを買った人、
通貨(FX)の取引で、
弱くなる通貨を売り建てた人。
うまくレバレッジを効かせられた人。
また暗号通貨でひと財産築いた人もいますね。
投資の成功談では、
その人自身が
資産価格のアップダウンに対して
特別の嗅覚(きゅうかく)を有していた点と、
たまたまその時期に、
自身が興味を示した資産に「投資妙味」があったという「luck(運)」の部分も含まれています。
もちろん脳に汗をかいて(努力して)
資産を増やされたわけですから、それはそれでスゴイことです。
しかし、実際、そのような嗅覚(才能)を有しているのは、百人に一人くらいなのでは・・。
たとえば、です。
数年前に書かれた『体験的コンテンツ』を読んで、
―ということはその「実践」そのものは5年も10年も前。―
私たちが「今」真似をして、果たして同じように成功できるのでしょうか?
(もしかすると)再現性はあまりないかもしれません。
ところで、
「インデックス投資」とは?
市場の『平均点』を持ち続ける投資です。
株式であれ、債券であれ、不動産であれ「平均点」というものが存在します。
株式でいえば、
日経平均株価や、ダウ平均や、日本以外の先進国22ヵ国を統括するMSCIコクサイ指数と呼ばれる平均点があります。
その「平均点」との連動を目指す投資です。
ざっくり世界ベースで見れば、ですが、
株式、債券、不動産とも、過去その『市場規模』は段々と大きくなってきました。
長期で「市場の平均点」を持ち続けた投資家に、
マーケットは「プラスのリターン」で報いてきたわけです。
とても単純な手法ですが、どこか手堅さを感じませんか?
ナツコさんとハヤトさんが、
同じ「市場の平均点」を
「同じ時期」に買い始めたとしましょう。
ヨシエさんもコウイチくんも、
他の誰もが皆同じように真似をすれば、
みな「同じリターン」になります。
誰かを出す抜く投資ではないため、
潜在リターンの奪い合いも起こりません・・。
そしてこのインデックス投資に、
才能や、特別な判断や、独自の感性は要らないのです。
平べったくて、拍子抜けするほどシンプルなのですが、
これを「再現性のある投資」と云います。
カテゴリ:インデックス投資全般