手動で針を落としてレコードをかけたい人はETF、自動で針が落とされレコードがかかるのがインデックスファンド
2021年4月4日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
YouTubeあたりでは、
「ETF VS. 投資信託」みたいなコンテンツが流行っていますね。
よく考えてみますと、
あなたがインデックスファンドやETFを『道具』として選んでいる時点で、
広く投資対象を分散させ、
市場の平均と連動して、
長期で資産形成しようというポリシーは固まっているわけです。
(それだけで素晴らしいこと!)
道具としての効用(効き目)は『同じ』と考えていただいてOKです。
(S&P500のETFも、S&P500のインデックスファンドも期待リターンはほぼ同じですし!)
<ETFとインデックスファンドは酷似しているのです。>
このふたつの道具の『違い』を
あえて際立たせてお話しすると、
『手触り感』がちがうと思います。
たとえるなら
手動で、
針を落としてレコードをかけるイメージ。
自動で、
針が落とされレコードがかかるイメージ。
ココ、伝わっていますか?
ETFとイ・ファンドは、同じレコードをかけるという行為であり、
『キャラ』の違いがあるだけなのです。
イ・ファンドかETFかの選択で
もっとも重要なポイントは、
あなた自身が『どちらに向いているか?』という自己分析でしょう。
あなたは、自分で針を落としたい派ですか、
それとも自動で針を落としてもらいたい派ですか?
(これ、2日間くらい考える価値のある設問です)
たとえば、
という声を聞きます。
これは紛れもなくETFの長所でしょう。
しかし、だからといってETFを選ばないといけないわけではありません。
どの道具をチョイスしようかと決める際に、
コストはひとつの要素に過ぎません。
違う視点から見ると、
〇 つまりは「金額ベース」で売り買いできるという点で、
インデックスファンドにはETFにはない便利さがあります(ETFは「口数ベース」でしか売り買いできません)。
あるいは、
長期の運用のインセンティブになるという人はETFのほうが合っているかもしれません。
「分配金なし」で愚直に再投資に徹してほしいという人はインデックスファンドのほうがマッチしているでしょう。
あと、もうひとつ。
あなたが最終的にリスク資産を売っていくときのお話。
インデックスファンドなら、
最終の取り崩しのところで
「投資信託・定期売却サービス」が利用できます。
手動ではなく『自動』で、
資産の規則的かつ計画的な解約が可能です。
(ETFは自分で、断続的に売っていく必要があります。)
わたしは近年、この出口部分の『相違点』を重視しています。
わたしの意見は
47対53で『インデックスファンドの勝ち』です。
ただ、繰り返しになりますが、
もっとも重要なファクターは機能面ではありません。
あなた自身の性格、嗜好に照らし合わせて、
ETF、イ・ファンド、
どちらが自分によりフィットすると思うか?という「気持ちの部分」です。
資産運用は、道具を選んだところからがやっと『始まり』であり、
(そのあと)長く長く続く
「メンテナンス作業」があるため、
『どちらの道具のほうが、
より自分にフィットすると思いますか?』
という質問文こそ、もっとも重要なのです。
・プラモデルを買って自分で組み立てたい人はETF向き。
・5Fの玩具コーナーに行って、
完成品のおもちゃを買いたい人はインデックスファンド向きと云えるでしょう。
自分であれこれ動かしたい(触りたい)人が、
自動化しやすい「インデックスファンド」を選んでもつまらないでしょうし、
しくみを構築しシンプルに管理したい人にとっては、
「ETF」を選んでもイライラが募ってしまうだけです。
相談者さまからの質問を拝見すると、
投資信託の質問の最後のほうに、
立ち位置として、
ETFのほうがインデックスファンドより
より「高度な道具」という印象があるのでしょう。
たしかに、
自分で指値をして注文を出す・・
あるいは分配金をもらい、それを自身で管理して自ら再投資する・・
これらの部分が「高度さ」に映るのかもしれません。
でも少しだけ深呼吸を。
指値をするか(ETF)
その日の終値で自動的に買い付けるか(投信)は、
投資対象を分散させ、長期で資産形成を行う人から見れば、「超」些細な違いに過ぎません。
逆に、投資において、ひたすら努力型のこころ持ちに支配され、
資産管理が煩雑になって、長期投資に挫折してしまった人を、わたしは何人も知っています。
ココ、↑ 真面目な人ほど『ぜんぶ網羅しないと!』と思ってしまいがちなのです。
シンプルさ、効率性の希求は決して単純ではなく、洗練を実践することなのです。
カテゴリ:インデックス投資全般