金融機関にモノ申す

お金の自動運転が可能になる日(Self Driving Money)

2021年3月19日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

あなたにとって『お金』は大切なもの。
でも、別に『お金』のために生きているわけではありません。

毎日の生活や長い暮らしの途上では、
お金より大切なことはたくさんあります。

仕事や、自分の趣味や、家族のことを優先的に考え、
お金については特別意識することなく、
できれば『空気のように』扱えたほうがよいと思いませんか?


もっと言えば、
慣れ親しんだ「しくみ」の中に『お金全体』を入れておけば、

その後は自動的に
適切な場所に
適切な形(かたち)で各々のお金が配置される・・。


クルマも自動運転になる時代ですから、
お金だって自動・最適化されてもよいのではないでしょうか。

 




今のお金のあり様って
「ファッション」にたとえると、

 

帽子は・・帽子屋さんで。
ジャケットは・・ジャケット屋さんで(もしそんなお店があれば)。
パンツは・・パンツ屋さんで。
アクセサリーは・・アクセサリー屋さんで。


みたいな感じです。


いちいち違う店に出向いて、
自分の判断で、各々の商品を吟味して購入する。

そしてトータルコーディネートは
「自分で!」しなければならないのです。

 



またもちろん、ジャケット屋さんは?
ジャケットのことしか考えていません。

アクセサリー屋さんは?
アクセサリーを売ることにしか興味がありません。

 

 

現在の『お金業界』は、
銀行、保険、証券、不動産、信託・・と、

お金の用途別で
それぞれ分断された
個別のサービスが、

それぞれのしきたりに従って
それぞれ別個に提供されているのです。

 

んー・・なんかヘン!!


どのあたりがヘンかといえば、
あなたが『主人公』として設計されていない点でしょう。

お金とは、
それ(貨幣)に価値があるとみなが信じることで流通するものです。

ですから、お金の形が「現金」から
「デジタル」に移行してもその本質はなんら変わりません。

むしろネット上(デジタル上)のほうが
お金全体を「どこ」に入れるかという作業や、

そこから適切な場所に、
適切な形で各お金が配置されるというオペレーションは、実施しやすいでしょう。
あなた個人のニーズやスケジュールに沿って、もっとシームレスにもっと柔軟に『全お金』が色分けされやすくなるわけです。

 


より具体的には?
「アプリ(App)」の中に銀行、保険、証券、運用、不動産、信託・・という用途がすべて収まってしまうとわたしは予想します。

 




あなたが「しくみ」に対し
あなたの情報を使うことを許諾すれば、
スマートフォンの中にあなたの「ほとんどすべてのお金」が待機するわけです。

 

『えっ、カンさん今、情報を使うって言いました?』


はい、言いました・・。


金融のデジタル化において
その根幹を担うのはあなたの『情報』です。


たとえば保険商品は
あなたの『情報』(年齢・職業など)なしに、商品が組成できません。

自動車保険など、
あなたの運転履歴という細かい『情報』まで必須としていますね。

「わたしはプライベートな情報を提供するなんてイヤ!」という人がいるかもしれませんが、そういうあなたも、家計簿アプリではひとつひとつの『出費』をこと細かく提供したりしていませんか?

 


批判があるのを承知で私見を述べれば、
これから個々人の情報は
なかば『公共財』のように扱われていくのではないでしょうか・・。

(アナログでスローな金融の世界から、
デジタルでスピード感のある金融世界に移行するカギを握るのは、あなたの『情報』なのです。)




 

あー、

そういう意味では
『投資信託』は遅れていると言わざるを得ません。

 

いまだ20世紀のマスプロダクト的に、
作り手があの手この手でユーザーのWantsを予想し、
不特定多数の消費者に向け、

ドーン!と
たとえばアメリカ株式ファンドを作ったりしています。

 

投資信託の商品開発では、
あなたやわたしの『情報』がうまく取り寄せられ、
利用されているとは言い難い状況なのです。



これは意外に知られていないことなのですが、
販売会社を経由して投資信託を販売する場合、
運用会社はファンド購入者の個別の情報を得ることは出来ません。

運用会社である
三井住友DSアセットマネジメント三菱UFJ国際投信が、
ファンドの直接販売を行っているのは(「直販」といいます)

顧客とダイレクトにつながり、
さまざまな『情報』を得たいと願っているからなのです。

お金の分野では
『情報』こそが付加価値を生むエネルギー源であり、
資産管理の自動化(最適化)のカギを握ります・・。

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