カンさん、『毎日』つみたてなの?『毎月』つみたてなの?
2021年3月8日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
投資信託の『毎日つみたて』が出来るところが増えていますね。
SBI証券、松井証券、マネックス証券、
楽天証券もつみたてNISAなら『毎日つみたて』が可能です。
ところで「毎月」積み立てるのと、
「毎日」積み立てるのと、
どちらが投資の成績が良くなると思いますか?
わたしの答え)
どちらを選んでもほぼ変わらない・・。
両者は単純につみたて頻度が違うだけで
どちらも基本『定時・定額』であることに変わりはありません。
ただわたしは、けいのすけさんのブログ記事
『SBI証券で「毎日積立」が可能に!さて、私はどうする? 』
を読んで、
「あっ、わたしとまったく同じ意見だ!」と感じたものです。
誤解のないように申し上げますが、
「毎日つみたて」と「毎月つみたて」は些細な違いです。
以下は私たちの『感情面』にフォーカスし、
小さな違いをあえて望遠鏡で拡大してお話するものです(^^)
『毎月・積み立てのままでOK!』と考えます。
月に1回の投資実行は、
ひと言でいうと
あなたと投資の『距離感』がつかず・離れずでちょうど良いのです。
「毎日」積み立てをしたほうが、
「毎月」積み立てをするより投資のリターンが上がるわけではないですから・・。
以下、マネー研究所(日経電子版)の記事です。
【積立投資に驚きの結果 購入頻度でリターンに大差なし】
上記記事をお読みいただくと
毎日でも毎週でも毎月でも、
つみたて投資の成績に違いがないことが分かります。
個別株にしろ、
債券ファンド、株式ファンドにしろ、
そもそも「リスク資産」とはその価格が不規則に変動するもの。
継続的な投資実行を考慮する際、
「毎日」を選ぶか「毎月」を選ぶかは『頻度の差』でしかありません。
上記記事内では、
次にような記述があります。
考え方としては
「ランダムに変動する価格の平均購入単価は、
その購入間隔の影響はそれほど受けず、一定の値に収束する」ということのようだ。
なるほど・・。
では現状、なぜ多くの人が『毎月・積み立てている』のでしょう?
それは、私たちの給与が「毎月」出て、
お金の出入りの締めを月に1回行っているからです。
(単に生活のリズムに合わせているだけ。)
仮に1ヵ月が60日で
60日に1回給与が出る世の中なら、
60日に1度の「つみたて投資」でも、わたしはぜんぜんOKだと思います。
毎日か、毎月かの選択ではありません。
けいのすけさんは次のように書かれています。
毎日コツコツ積み立ててくれることで、
かえって毎日の株価の動きを気にしてしまいそう。
「今日は下がった。安く仕込めてラッキー」とか、
「今日はすごく上がった。高値を掴んでしもうた」とか、
これまでなら月1回あるかないかで済んでいた
「心のざわつき」がほぼ毎日訪れることになるのです。
たしかに上がっていても、下がっていても、
投資の実行は心がざわつきますね。
たとえば先週から、
株価がどんどん上昇していて、
あなたの投資信託の値段も、
2日 火曜)16,310円
3日 水曜)16,570円
4日 木曜)16,780円
というふうに上がり続けると、
あれ?
いつまで上がるんだろう?
(買える口数が減るから)
なんだかちょっとイヤだなあ・・。
と、
月曜から木曜のたった『4日間』で
小さな不満が溜まったりするかもしれません。
しかし、
1ヵ月という『スパン』で見ると、
31日 水曜)16,320円
というふうに、
ファンドの値段がそれほど変わらないこともあります。
続いて、下落局面です。
2日 火曜)16,130円
3日 水曜)15,800円
4日 木曜)15,580円
というふうに
投資信託が下がり続けると、
あれ?
いつまで下がるんだろう?
と、
たった『4日間』のことなのに、
不必要に心配になったりする可能性もゼロではないはず。
このような『下落局面』においては、
お客様から以下のようなお言葉をいただいたことがあります。
「カンさん、
ファンドの価格が下がっていく局面で、
【毎日積立】ならいちいち下がっていく価格で
投資信託が買えるため、
(= 口数を稼げるため)
これって将来の成績に貢献することになるんじゃないですか」
はい、たしかに一理あります。
しかし、その『下落局面』って、
いったいどの程度のものなのでしょう?
ちなみに、先ほどの
1日 月曜)16,280円
2日 火曜)16,130円
3日 水曜)15,800円
4日 木曜)15,580円
は、「4.3%」程度の下落です。
ファンドの値段が1%~5%下がっている状況は、
『急落』にも当てはまりません・・。
(※ ほんの「誤差」の範囲なのです)
たとえば
「株式50:債券50のバランスファンド」の価格が10%程度下がる『急落局面』で、毎日毎日ファンドが買えることは良いことでしょう。
【スーパー☆クリアランス☆セール】のような真のバーゲンが発生するのは、
「株式50:債券50のバランスファンド」が25%以上下がってしまうような【暴落】と呼べる下落局面ではないでしょうか。
(誤解を恐れずにいえば)
そういうときこそが、真のチャンスなのです。
そして、
『暴落』が起こるような局面では、
マーケットが1週間、2週間くらいで元に戻る可能性は極めて低く、
暴落がある程度長く続く可能性があります。
このような状況で【毎日】つみたてを続けるのは、逆に気持ち的にはキツくなるかもしれません・・。
【毎月】つみたてなら
投資執行時の「心のざわつき」は月1回で済みますよ。
(ちなみに【毎月】つみたてでも、20年間続ければ、240回つみたて買い付けすることになります)
最後に、海外資産に投資を行うファンドの場合、
海外市場の休場日の影響を受けますから、
【毎日】つみたてと云えども、
文字通り毎日積み立てが出来るわけではないことに留意が必要かもしれません。
青井ノボルさんの記事
『つみたてNISAの毎日積立がオススメできない理由』
カテゴリ:つみたて投資