AIファイナンシャルプランナーに、実物のファイナンシャルプランナーが負ける日
2021年2月15日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
突然ですが、
資産管理アプリってすごいですね。
今日は「マネーツリー」を例に挙げますが、
あなたが使っている銀行口座、クレジットカード、
さまざまな種類の電子マネー、各種ポイントまで
スマホで一元管理ができます。
画像元:Moneytree
(実は確定拠出年金の口座も一元管理可能。)
また、家計管理のアプリとしても優秀です。
マネーツリーでは
毎日、毎月の支出は
自動的に『カテゴリ別』に振り分けられます。
画像元:Moneytree
あるいは、有料版のMoneytree Grow になると、
支出のカテゴリ別に『予算』を設定でき、
その「消化状況」が通知されるので
自身で支出のメリハリが付けやすくなります。
画像元:Moneytree
こういうご商売、
つまりMoneytreeやMoneyForwardがやられていることって、
アプリの提供が真の目的ではありません。
個々の顧客に対して
「ココはこういうふうにしましょう!」と、
具体的な改善策をアドバイスし、
実行の支援をすることが、
(もちろん実行支援には
「具体的な金融商品の提供」も含まれるでしょう)
実は付加価値提供の『ゴール』であるとわたしは考えます。
もしこれが出来れば、
AIファイナンシャルプランナーの出来上がりです。
つまり、ゴールの地点から現在を見渡せば、
マネーアプリの現状はまだまだ発展途上なのです。
ちょっと『具体例』を挙げてみましょう。
画像元:Moneytree
少し小さいですが、↑
『生命保険』って書いてありますね。
この5,000円という支出(保険料)ですが、
この人にとって、
この保険料が適切かどうかは分かりません。
そもそも毎月の支出の中で
保険料の支出割合は「何パーセントくらいが妥当なのか?」
また、貯蓄性の保険と
保障のみを買っている保険を一緒くたにしてしまうと、
正確な「カテゴリ分け」にはなりません。
ご資産も積み上がっており、
共働きで子どもなしの場合は、
そもそも『保険』そのものが必要ないでしょう・・。
→この、
「〇〇さんには「保険」は必要ないでしょう。」
という助言こそが、
お金の情報というインプットに対する『アウトプット』なわけです。
また、貯蓄と投資のバランスに関しては、
毎月の収支と、
資産・負債をうまくつなげる
「ブリッジ的な項目」も必要でしょう。
たとえば、資産ベースで
目標とする『貯蓄と投資の割合』を設定すれば、
毎月の収支の中で、
先々月から投資の割合が多くなりすぎていますよ。】と
警告(アラート)が発せられるとか。
さらにいえば、
顧客の年齢、収入の推移、リタイアメント予定年等から今後の状況を『深く読み取り』、
向こう5~10年程度の
「推奨・貯蓄投資の割合」を向こうから提案してくる・・
『深く読み取って』
価値あるアウトプット、つまり助言をしてくるのが、
ディープラーニングによる
「AIファイナンシャルプランナーの役割」でしょう。
わたし、ですか?
実物ファイナンシャルプランナーとして、
上記のような日がいずれやってくるという健全な危機感を持っております。
あと10年??
いや、あと5年?
「定量評価」また「定量的、付加価値の産出」では、
実物ファイナンシャルプランナーは、
AIファイナンシャルプランナーに負ける日が来るでしょう。
では、どこで持ちこたえる可能性があるかといえば、
顧客の『定性的な』情報収集ではないでしょうか?
それはたわいもない周辺情報かもしれません。
過去、お客様が「どこの部分で」
こころが揺れていたかという補足の情報に過ぎないかもしれません。
たとえば、インデックスファンドでポートフォリオを組んでいて、
つみたて金額の変更で悩んでおられるように見えて、
その根っこのところに、
母親の介護と、それにかかる費用が問題の『センターピン』として横たわっていることは、お客様自身も(もしかすると)気付いていない断面なのかもしれません。
顧客の『ベストプラクティス』(最善実行)を助ける・・
AIであれ、生身であれ、アドバイザーとして重要なことは変わらないのです。
カテゴリ:わたしのFP修行