経済よもやま話

日本、インド、ポーランドで相次いで「NASDAQ100指数」との連動を目指す商品が登場(これはバブル的兆候なのか?)

2021年2月12日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

高揚が高揚を呼ぶ・・。
カラダが地面から10センチほど浮いたような感覚?

数字を見て
出来高を見て
欲望の間口が少しずつ開いてきて、

今「それ」をしないと(皆に)置いていかれるような感覚になる。

これがバブル的感覚ではないでしょうか?


しかし今回は華やかさに欠けます。

新型コロナウイルスの渦中であり
世の中は『苦悩』しているわけで、

厚く覆われたベールの下で、
表面上ちょっと申し訳なさそうに
リスク資産を買っている諸氏の姿が目に浮かびます。



今なぜか、日本でもインドでもポーランドでも、
『NASDAQ100指数』との連動を目指す金融商品が
相次いで設定(または設定予定)となっています。

ナスダック100指数とは?

米国ナスダック市場に上場する、金融銘柄を除く、
時価総額上位100銘柄(実際は20年12月時点で102銘柄)の
時価総額加重平均によって算出される株価指数のこと。

 


〇 三菱UFJ国際投信は2月25日に
MAXISナスダック100上場投信」(2631)、
MAXISナスダック100上場投信(為替ヘッジあり)」(2632)を上場予定。


〇 インドでは先月、
Kotak NASDAQ-100 Fund of Fund」が設定されました。

当ファンドはいわゆるファンド・オブ・ファンズ形式であり、
実質の投資先はNASDAQ-100 ETFとなっています。

ご丁寧にプロモーション動画まで作っています。


 

いっぽう東欧に目を転じますと、
〇 ポーランドでは2月8日に
「Beta ETF Nasdaq-100 PLN-Hedged」が上場。

当該ETFはポーランド市場に上場する8番目のETFであり、ポーランド通貨ズロチとヘッジします。
(参照記事はこちら。)



上記はあくまで局所的現象です。
しかし(どこか)
バブル的匂いを嗅ぎ取ってしまうのはワタシだけでしょうか?


米国株式はフェアバリューから見て
明らかに高すぎる状況と云えます。

以下参考までに
シラーPER(CAPEレシオ)のご紹介です。

シラーPER(Shiller PE Ratio)は、
S&P500の単純な「PER(株価収益率)」ではなく、

インフレ調整後の
過去10年の1株あたり利益の平均値を用いて、
株価収益率(PER)を算出しています。


19年8月2日時点で、シラーPERは29.66倍でした。



画像元:Shiller PE Ratio


今は?(21年2月9日現在) 35.62倍です。



画像元:Shiller PE Ratio


現在のように
「金融市場」と「実態経済」の乖離が激しいときに、

頭の片方では大きく調整するリスクを感じながら、
もう片方でコツコツつみたて投資を続けることは、
大きなストレスを伴います。



実際「カンさん。気味が悪いです・・」という言葉を、
すでに何人もの相談者さまからお聞きしています。

でも、つみたては止めないのです。


その理由はシンプルで、
1ヵ月先も1年先のことも、

『マーケットのことは読めないためです。』

この上昇相場がいつまで続くかは分かりません。

仮にあと2年続けば(上昇相場の途中で)
つみたてを止めるのはいかにも「もったいない」こと。




もし1ヵ月後に下落に転じても、
市場が下げ続ける中でつみたてを止めるのも、
これまた「もったいない」ことです。

あなたもわたしもまだ
資産運用という道の途上にいて、
今後10年、市場がどんな軌跡を描くかは読めないわけですから、

ひたすら『完走』を目指して、
投資の元本を積み上げていくしかありません。

正直申し上げて、ここにはある種の『鈍感さ』が求められます。


結局のところ
より上手く儲けようとするよりも、
より長く市場にいて、コツコツお金を入れ続けられるかどうかが、
個人投資家の「長期成績」に影響を及ぼすわけです。

 

あなたのお金の『成長式』とは?
「入れたお金の総額 × 利回り × 投資し続けた期間」
なのです。


もちろん、合理的に
利益が膨らむ資産を一部売却することは可能ですが、
(これをリ・バランス、または臨時のリ・バランスと云います)

それはまた別の稿に譲りましょう・・。


最後の「おまけ」。


浜田英敏さん(農家さん)のセロリを購入しました。


 

徳島は野菜が美味しい!

カテゴリ:経済よもやま話

おすすめの記事