『リ・バランス』が夫婦げんかの原因に?
2021年2月1日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
たとえばあなたがホームセンターの園芸コーナーで、
「次はどの苗を買おうか?」と悩んでいるとき、
ウキウキする気持ちはよーく分かります。
しかし、苗を買うことと、
植物を育てることは、
イコールではありませんね。
苗を買うことは、
花を育てる【壮大なプロセス】の発端、
『一動作』に過ぎません・・。
それと同様に、
金融商品を選ぶことも、
金融商品を買う行為も、
【投資】という長いプロセスの、
最初の『一動作』に過ぎないわけです。
はっきり言ってしまうと、
金融商品を買った後の・・長大な『メンテナンスの時間』です。
しかも、投資という行いは
その効用が確認できるまで「タイムラグ」があるため、
結果としてその行為は10年も20年も続いてしまうわけです。
で、その間、
あなたは何をしておきますか?
んー、正直申し上げて
あまりやることはありません・・。
ただ、アドバイザーの立場から申し上げると、
資産をどのように『持っておけばよいか』、つまりはメンテナンスに関する具体的なノウハウが意外に不足しているのです。
そして実は、
投資におけるメンテナンス作業のほとんどは、
『リ・バランス』と呼ばれる行為です。
??
この「リ・バランス」の概念を知らないと、
たとえば『夫婦げんか』のもとになったりします。
<東京・世田谷・ミニ劇場>
夫と妻が夕食後、お茶を飲みながら、
先日行ったバルの話をしています。
夫
「あっ、そうそう。
あの、儲かっているABCファンド、売ることにしたよ」
妻
「えっ? あなた!気でも狂ったの??
どうして儲かっているものを売っちゃうの?」
また、別の日、
夫と妻が夕食後、お茶を飲みながら、
嵐の櫻井くんの話をしています。
夫
「あっ、そうそう。
あの、損が出ているFFFファンドだけどさ、
買い増しすることにしたよ」
妻
「えっ? あなた!気でも狂ったの??
どうしてマイナスになっているものを、わざわざ買い増すの?」
さて、あなたは夫と妻、
どちらの言い分に【共感】しますか?
もし、あなたが
「一個の金融商品のみ」で資産運用を捉えていれば、妻に共感することでしょう・・。
⇒ 狂気の沙汰
〇 損が出ているモノを買い増しするの?
⇒ 狂気の沙汰 ですね・・。
でも、冷静に考えてみますと、
古今東西、昔から「投資」で利益を出してきた人って、
【投資の本質】を実践している人なのです。
えっ、【投資の本質】って?
もう一度言いますよ。
『安いモノを買って、高いモノを売る。』
「そんなの当たり前じゃん。」
とあなたは思われるかもしれません。
しかし、この「安いモノを買って、高いモノを売る」を血眼にやろうとしてしまうと、あなたはどんどんマーケットに近づいてしまい、
○ 細かな値動きが気になって、
〇 そのうち安くないのに我慢しきれず買ってしまい、
〇 逆に大きく値が下がっているのに
(これまた我慢しきれずに)売ってしまう危険性が増します。
「一個の金融商品のみ」で投資を捉えず、
資産の組み合わせ、
または、リスク資産と安全資産を組み合わせて「ポートフォリオ」と捉え、
そのポートフォリオのバランスを年に1回、もしくは半年に1回、もとに戻すことを、唯一の『メンテナンス作業』と心得てみませんか?
それが「リ・バランス」です。
そうすれば、
価格が上がったいるABCファンドを一部売り、
損が出ているFFFファンドを買い増しすることは立派に『正当化』されます。
なぜなら、もともとの『資産の割合』に戻すだけですから。
どんな人でも無理なく
【安いモノを買って、高いモノを売れる】方法論のことなのです・・。
当クリニックが推奨する資産管理法はズバリ、
『長期保有、ときどき売買』
こちらの小説は
「晴れ、ときどき殺人」(赤川次郎 著)
カテゴリ:ポートフォリオ運用