ゴーギャンの「牛のいる海景」(深い淵の上で)から学ぶ
2021年1月17日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
FP(ファイナンシャルプランナー)は
書く・話す・聞くという複数の表現を求められます。
わたしは書く・話す・聞くという動作の中に、
予定調和ではない、
「斬新の欠片」を所有することは可能だと思っています。
(表現者として(良い意味で)お客様に驚いていただきたいのです。)
フランスのオルセー美術館で
ゴーギャンの『牛のいる海景(深い淵の上で)』を観たことがあります。
あいまいな色の塊がいくつか「ドン! ドン!」と置かれているような絵。
この絵はわたしに多くの示唆を与えてくれました。
海と、そこからせり上がっている岬と
大きな岩の塊と、
そして牛を描いているのですが、
遠近感がなく、
細かい線も存在せず、
立体を生む工夫も見当たりません。
(一歩間違えると中学1年生が描いた絵です)
ゴーギャンの画集では次のような解説があります。
○ 自然の再現というより、解釈を。
○ 一部の描写より、全体の暗示を。
つまりゴーギャンの絵は
『象徴であり、解釈であり、暗示である』と喝破しているわけです。
(ですので「不思議・・」「難解だなぁ」と言われて当然・・)
ゴーギャンは自ら
『自然の再現ではなく、解釈の提示を』という命題を課していたはず。
写実である旧来の絵から離れ、独りそこに立ち向かうことは、絵の概念を『再構築』しようとする試みであり、彼はそのスタイルを勝ち取るため、生涯模索を続けたわけです。
(その孤高の、心の叫びを、彼の作品を通じて感じ取りたいのです。)
普段忘れがちになりますが、
FPとしてひとつの文章を書く
(セミナーで)ひと言声に出して話す
そして、お客様の声を一文節聞くという動作に、
「斬新」を内包することは可能です。
ルーチンではなく、
予定調和でもなく、
一FPとして常に新たな視点で(違う道具を用いて)
表現という名の土を掘り起こせるよう(これからも)精進したいと思います。
ポール・ゴーギャン
「牛のいる海景」(深い淵の上で)
カテゴリ:わたしのFP修行