投資家の感情リスク

魔法の杖で目の前の資産がすべて現金化されたら、あなたは再び同じモノを買いますか?

2020年12月23日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

先週、コンビニで買ったクレンジングクリーム。
昨日、アマゾンで選んだファンヒーター。

それが「正しい選択」であったかどうかを
私たちは折に触れて検証します。

たとえばファンヒーターの場合、
その効用が確定していますから、

機能上、どこか正常に作動していないところがあれば、
修理してもらったり、
買い換えればよいわけです。


いっぽう投資商品はどうでしょうか?

良さそうだなと思って購入したのはよいのですが、
雨後の筍のように雑多な情報があふれる中、
その商品に関して、

「いいよ!」という人もいれば、
「絶対ダメ!」という人もいます。

 

困ったことに、
投資商品はその最終的な効き目がカンタンには現れませんから、

あなたもわたしも
それ(商品)を持ち続けたものか、
それとも買い換えたほうがよいのか、


迷ってしまうわけです。


『この商品を保有し続けてもよいのか?』

(実はわたしの仕事で申しますと)
もっとも多い相談テーマのひとつです。

もちろんその投資商品の「構造上」
どこに注意をしないといけないのか、

(メリットに見える部分よりも)
明らかな『デメリット』の部分を洗い出してみることは重要です。

〇 たとえば、インデックスファンドなら?

「平均点」以上の成績は確実に望めない。
(これ、デメリットですね)

〇 貯蓄型の生命保険商品なら?

「中途で解約」すると、ペナルティー料を徴収され、
戻ってくるお金が少なくなってしまう。
(いつでも「時価」で売り買いできるが成立しない)


〇 実物不動産なら?
文字通り、固有の動かせない資産であるため、

そのエリアの
社会文化的な特性の変動や、
天災地変等による変動には、太刀打ちできません。

〇 あるいは金(ゴールド)なら?

インカムゲインという概念がないため、

その資産の割安・割高感が
インカムの利回りから計れない、という欠点を有します。


このような『注意点』を
十分理解したとしても、
人は持ち続けるべきか、売ったほうがよいのかで悩んでしまうもの。


そんなときは、
杖を持った仙人が
あなたの資産すべてに魔法をかけたと妄想?してみましょう。



あなたが所有する、

個別株(4銘柄)と、豪ドル建て個人年金保険と、
株式ファンド5本と、バランスファンド3本と、テーマ型の投資信託2本と、トルコリラ建て債券と、持ち株会の自社株と、

預金と郵便貯金と個人向け国債10年モノがすべて
エイヤーと魔法の杖で『現金化』された場合、


あなたは机のうえの
2860万円の札束を見渡しながら、一度深呼吸したあとに、




ふたたび
そのお金で、

上記金融商品を買うと思いますか?

同じものを再び買おうとされますか?

YES?

NO?

 

もし「NO」というお気持ちなら、

もうすでに
それ(投資商品)はあなたにふさわしくないと、
あなた自身が気付いておられるわけです。

答えは明白ですね。



「カンさん。そんなの分かってるわよ。
それを承知でなかなか動けないのよ!」

あっ、はい。

「保険商品はホントに売っちゃうと、損失が出ちゃうし、
損という意味では外国債券も個別株も、
テーマ型のファンドも同じなの。

せめて損失がなくなった時点で
買い換えたいって思うじゃない!

 



はい、たしかにそうですね・・。


でも、
ココが資産形成において、
もっとも陥りやすい沼なのでは?

わたし、以前こんなことも呟いております。



正直に言いまして、
資産運用をゼロから始めて、

当初の投資商品で
細かい変更もなしに、
そのままスイスイと10年、15年と運用が続けられる人なんて、
10人のうち「ひとり」いるかいないか位では?

わたしも
あなたも
運用という道程では石につまずき、
道を間違え、

やっぱり引き返そうとしたり、
また一度や二度は、
路上で「あーあ」と頭を抱えてこんでしまうものです。

それが、普通なのです。



もっとも重要なのは「時間」ではないでしょうか?

 




貯蓄性の保険も、
外国債券も個別株も投資信託も、

損失がなくなるまで待っていて、
それが仮に「3年と10か月」かかったとすると、

本来あなたが実行したい投資のやり方、
乗り換えたいと願う投資商品で運用を始めるのも、

結局、
3年と10か月」先送りされてしまうわけで・・。


誰もが一度は失敗するものなんだ、と割り切れば、

 

〇 これまで運用に取り組んだ「期間」より、
これから先、資産運用を続ける「期間」のほうがずっと長いわけですから、


出来るだけ早く、
あるべき投資の姿に「お引っ越し」をされたほうが、
ほんらい願う投資商品で運用が続けられる「期間」が長くなりますよ。

この年末、よーく考えてみましょう。

 

お知らせ)

当クリニックは12月28日(月)より1月6日(水)まで冬期休暇を頂戴いたします。
相談者さまにはご不便をおかけしますが、ご理解のほど何卒よろしくお願い致します。




最後の「おまけ」。


ネットフリックスで
韓国ドラマの「秘密の森」「秘密の森2」を観ました。

「ハウス・オブ・カード」以来でしょうか、
こんなにドラマに嵌ったのは・・。
(今密かに「秘密の森」ロスになっています。。)

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