ポートフォリオ運用

カンさん、利益確定は良いことですか?(ん?『リ・バランス』のことですよね?)

2020年12月2日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

はい、12月でございます。

あなたの最寄りの商店街でも、
マライアキャリーの「恋人たちのクリスマス」
(原題:All I Want For Christmas Is You)が流れているのではないでしょうか。




ではマーケットのほうは?

どうも「過剰流動性相場」が当面は続きそうな気配です。

(逆にコロナ渦が収束し始め、
「少しマネーの蛇口を締めましょう」となった途端、
大きな調整が入る可能性があると考えます)



いつもながら、
マーケットが順調に推移してくると、

【カンさん。利益確定ってしたほうがよいのですか?】
という質問をいただくことになります。


たとえば、です。

カンさん、もうファンド価格がどんどん上がってきて、
けっこうな利益が出ています。

こういった局面においては、
利益確定のため一部を売却して、
安全資産に移すという考えはどうでしょうか?

これから先、もしファンド価格が急落したりすると、
今出ている利益は失われてしまうので
一部の利益確定は良いことではないかと思うのです。

 

はい、お気持ちはよーくわかります。

価格が上昇している投資信託を
一部売却する、
それ自体は『賛成』です!

 




〇「それを行うべき時期」が来たら、
〇「適正な規模」で、

ぜひ売却を実施しましょう!

あのー・・
『リ・バランス』という名の、一部売却ですよ(^^)


あなたが管理しているのは、
ひとつの「株式ファンド」でしょうか?

Non, 資産全体(ポートフォリオ)であるはずです。

仮に、あなたが株式ファンドと債券ファンドを
組み合わせているとしましょう。

当初定めた「基本比率」が
たとえば、
株式:債券 = 6:4 とします。


この基軸からズレが生じており、
株式ファンドが大きくなりすぎていれば、

基本の 6:4 に戻るよう、
株式ファンドを売って、そのぶん債券ファンドを買い増しします。



仮にあなたが毎年年初(1月)に
このような『リ・バランス』を行っているなら、

今回も同じように1月に行えばよいのです。
(何も特別な要素はありません・・)

 

あくまでズレを調整する名目で、
高くなったファンドを一部売る。

 


 

次に、あなたがバランスファンドを保有しているケースも同じです。

当初定めた、たとえば、
貯金:投資信託 = 5:5 という「基本比率」があるなら、

そこに戻すため、
投資信託を一部売って、そのお金を貯金に回します。


一直線に上がり過ぎるマーケットがあったとしても、
決して慌てることはありません。

 

一定期間ごと
(1年、もしくは半年くらいでOK)に、

ファンドを一部売る、
あるいはファンドを一部買い増す【機会】は保証されているわけですから。

 


資産の管理を『ポートフォリオ』で認識できれば、

あなたの辞書に
「利益確定」も「損切り」という言葉はもう見当たらないはずです。

なぜなら、
利益確定や、損切りという言葉は、

『ひとつの投資対象』
『ひとつの金融商品』だけで
運用を行っている際に用いるものだからです。



初心に帰ってみましょう・・。

<リ・バランスとはいったい何でしょう?>

それは、
★ あなたの資産、定点観測装置です。

 



この装置、購入代金はゼロ円です。
必要なものは? 
ズバリ、あなたのやる気。

「タイマー」を1年ごとでセットし、
その時期が来れば、マーケットを【定点観測】するわけです。



たとえば、
「ワタシは6月と12月に、資産割合がズレたら、
もとの状態に戻してあげよう!」

と予め決めておきます。

『リ・バランス』はどこか
あなたの毎年の健康診断と似ています。

 



1.今、自分がどんな状況にいるかを知ることができ、
2.問題があれば、それに対処することができます。


考えてみますと、
『割合がズレたら、もとの状態に戻そう』ってすごく健康的です。

さあ、時期を定めて、
高くなったファンドを一部売って、
安くなったファンドを一部買い増ししてみませんか?

そのこころは?
あなたが背中に負うリスク量を一定に保つということ・・。

定期的なリ・バランスは、
投資の潜在リターンを高めるうえで有効な戦略となりますよ。

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