現在とは、昔の人が将来を想って行動してくれた『結果』です
2020年11月21日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
松尾芭蕉の紀行文に「おくのほそ道」があります。
船の上に生涯を浮かべ、
馬の口とらへて老いを迎ふる者は、
日々旅にして旅を栖(すみか)とす。
この言葉に、
わたしはずっと憧れてきました。
旅をすること =「生きること」に出来れば、どんなに素晴らしいだろう。
そんな思いが募り、
24歳のときインド、東南アジアを放浪してしまったくちですw
インドには4ヵ月ほど滞在したのですが、
コルカタ(カルカッタ)のドミトリーに
日本の旅行者が残していった雑誌(週刊朝日)が置かれていました。
久しぶりに見る日本語は
「漢字」や「かな」が独特のリズムで並んでおり、
それらひとつずつが独特の形を成し、新たな意味を持って、
わたしの頭の中に飛び込んできたのです。
「日本語」を美しいと心の底から思ったのはそのときが初めてでした。
週刊朝日には
司馬遼太郎氏の「街道をゆく」が連載されており、
ちょうどわたしが読んだのは、
のちに「オランダ紀行」司馬遼太郎 著(朝日文芸文庫)となる部分でした。
(ところで)あなたはオランダに関心がありますか?
オランダ人は紀元前から
『干拓』によってその国土を広げてきました。
上記「オランダ紀行」の中では、
大規模な堤防を描写している場面があります。
この国のひとびとは、
堤防をつくって内側の土地を干拓し、
干拓地に運河を掘って地面を乾かし、
さらに運河の水を排水するポンプの動力として
風車を利用してきた。
(オランダ = 風車の意味が分かりますね!)
すなわち、
オランダ人にとって「堤防をつくる」とは、
明日のため、未来のために、
農作物を育てる「土地」を作ることに他ならなかったわけです。
司馬氏が訪れた「締切堤防」には立派なレリーフがありました。
そこには【将来を樹てないと、民族はなくなる】
という言葉が刻まれていたのです。
あなたが今、世界のどこに居て、何をしていようと、
私たちはみな、その累積のうえに生きています。
今、コロナ渦で世界はたいへんなことになっています。
しかし、最前線で懸命に働く
医療従事者の皆さんがいるおかげで、
悲劇的な感染の爆発がなんとか抑えられています。
また、世界中の製薬会社がワクチンの開発にしのぎを削っており、
そこにはまさに人類の『英知』が結集されているのです。
コロナ渦という大嵐が吹き去ったあとに、
というセリフが、
おそらく世の中のあちこちで聞かれるようになるのでは・・。
人は危機に陥ったときにこそ、そのチカラを発揮します。
そのチカラの本源とは、
先人たちが(後世のために)1ミリでもいいから前に進もうと頑張ってくれた、濃い濃い遺伝物質であるはずです。
そして少しずつ強くなってきたという人の、子孫なのです、あなたもわたしも!
世界経済の今後の先行きについて、
もう成長はあまりない、
混迷が続く・・、
もう本格的なイノベーションは
起こらないのではないか・・と危惧する人がいますが、
一所懸命走ってくれた前の走者を想い、
その人たちにならって
自分たちも懸命に走ろうという精神は、
ヒトという生き物から
簡単に消え去ることはないとわたしは思います。
徳島に移住して
自宅を仕事場にしたので時間が捻出できています。
妻と毎朝ラジオ体操をして、夜は柔軟体操をするなんて、
東京では考えられませんでした。
(この年になって思うのですが、
ラジオ体操第一は本当によく出来た運動プログラムです!(^^)
カテゴリ:世界投資的紀行